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ドリトル先生の野球
第十一幕その十一

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「日本でもあるしね」
「お相撲なんか凄かったですね」
「何かと問題になったね」
「ああしたことが野球でもですね」
「昔あったよ、メジャーでもあったけれど」
「確か八百長とかで」
「うん、黒い霧事件と呼ばれていてね」
 先生はその事件の具体的な名前も挙げました。
「調べていて凄く嫌な気持ちになったよ」
「そうした事件だったんですね」
「そう、だからね」
「先生はその事件についてはですね」
「書くかどうか声がかかってもね」
 先生はいつも論文はそれだけで書かせてもらっています、だからその分もあって沢山の論文を書いているのです。
「例え頼まれても」
「書かれたくないですか」
「誰一人として幸せになっていない、嫌な思いしかしていない」
「そんなお話ですか」
「だからね」
 それでというのです。
「このことについては」
「学ばれることもないですか」
「これは冤罪のお話なんだ」
「冤罪ですか」
「僕は法学博士でもあるから冤罪についての論文を書いたことがあるけれどね」
 それでもというのです。
「学んでいて、そして論文を書いてもね」
「やっぱり面白いものではないですよね」
「僕はやっぱり人間や社会、地球の明るい部分を学ぶことが好きでね」
「暗部についてはですね」
「学ぶ中で知っていて頭には入るにしても」
「それを学問の題材にされることは」
「苦手でね」
 それでというのです。
「僕としてはね」
「そのことはですね」
「抵抗があってね」
 それでというのです。
「論文を書く手も重いよ」
「冤罪の論文もですか」
「だから一度書かせてもらったけれど」
 それでもというのです。
「もう二度目はね」
「書かれたくないですか」
「どうもね」
 実際にというのです。
「そう考えているよ」
「そうですか」
「うん、僕はね」
 どうしてもというのです。
「この事件についてもなんだ」
「そうですか」
「この世界は何でもいい部分と悪い部分があってね」
「その悪い部分もですね」
「そう、それはね」
 本当にというのです。
「ちゃんと学んでね」
「その悪い部分をなおしていくことが大事ですね」
「そうだよ、けれど学問のスタイルにも向き不向きがあってね」
「先生は暗部を論文までされるには」
「向いていないみたいだね」
 こうトミーにお話してでした、先生は次に書く論文のお話もしました。その論文の内容はその学問の未来を見た明るいものでした。

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