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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第46話:透の選択
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は思わない。あの響って子はクリスの事を助けてくれた。颯人って言う魔法使いの人も、他の人達も誰かの為に頑張れる、良い人たちだよ〕

 透の言い分は分かる。二課の装者や魔法使いは善人だろう。これまでの事を謝罪すれば、受け入れてくれるかもしれない。

「それは……でも────」

 それでも不安や納得できないものがあったクリスは食い下がろうとした。

 その時、突然ウィズが立ち上がり玄関から死角になる位置に移動した。同時にコネクトの魔法でハーメルケインを取り出し、ドアから見えないように構える。

 彼の様子にただならぬものを感じた残りの3人は、彼に倣って玄関から見えない位置に移動した。

 直後、インターホンが数回鳴ったかと思うと鍵が開けられるガチャリと言う音が聞こえてきた。クリスが物陰から少しだけ顔を出し玄関を見ると、鍵を開けたと思しき手が魔法陣の中に引っ込んでいくのが見えた。

──魔法使い!? 見つかったのか!?──

 咄嗟にシンフォギアを纏おうとするクリスだったが、まだギアペンダントを返してもらっていない事を思い出しウィズを恨めしそうに睨む。

 そうこうしているとドアが開かれる音がしたので、クリスは慌てて頭を引っ込め息を潜めた。この状況では戦えない自分は役立たずだ。臨戦態勢のウィズと体力の回復した透に任せるしかない。

 物陰に隠れながらなので正確には分からないが、足音から察するに入ってきたのは1人ではないらしい。複数人が足音を忍ばせながら近づいてくるのを感じ、心臓が緊張に高鳴る。
 足音は次第に近付き、遂にこの部屋に入ろうとしてきた。

「動くな……ん? お前は……」

 同時に、鼻っ柱を出した相手の首にウィズがハーメルケインを刃を突き付けた。だが続いて彼の口からやや困惑した声が出た事に、クリスと透は顔を見合わせると意を決して顔を出した。

 そこに居たのは、ウィズにハーメルケインを突き付けられた颯人であった。
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