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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第46話:透の選択
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た。
「その少女を救いたいのだろう? ならば、私に従え。我々はこの魔法の力で新たな世界を作り上げる。無用な争いを排除した新たな世界だ。その世界でならば、お前の大切な者も平和に暮らせるだろう」
そう言って頭を撫でるワイズマン。彼の言葉は透の心に甘く広がり、得も言われぬ安心感を齎した。
思えばこれはワイズマンによる洗脳だったのだろう。心が弱ったところで甘い言葉に乗せて魔法を掛ける。嫌らしいが効果は抜群だ。
それから透はメデューサに魔法を、ヒュドラに戦い方を教わった。争いを好まない彼にとっては皮肉な事に、戦士として天性の才能に恵まれた彼はまるで砂漠の砂に水が沁み込むようにその腕を上達させ、あっという間に幹部候補にまで上りつめた。
この頃の透は組織に忠実だった。ワイズマン他組織の幹部の言葉は絶対だと思い込み、彼らの言葉には忠実に従っていた。
しかしその脳裏から、クリスの姿が消える事は無かった。彼は何時でも、クリスを何時か救い出す事を目標に行動し続けていた。
そんな彼が組織から決別したのは、魔法使いとして覚醒してから1年経ってからだった。
ある日、彼はサバトに邪魔が入らないようにする為の警備として儀式の場に配備されていた。
彼にとっては初めて目にするサバトに、これから何が行われるのかとメデューサに問い掛けた。
「これから行われるのは大いなる選別だ。素質ある者は我らと同じ魔法使いとなり、新たな世界を作り出す為の尖兵となるのだ」
誇るように言うメデューサだったが、サバトに掛けられようとしている者達の怯えた様子に透は僅かな違和感を覚えていた。何かがおかしい。
その時、彼の心が大きくざわついた。サバトに掛けられようとしている者の中に、自分やクリスと同年代だろう少女の姿を見たのだ。
少女の怯える様子が、記憶の中で捕虜として不安に身を震わせていたクリスの姿に重なる。
少女に透が目を奪われている間に、遂にサバトが始まった。
唐突に発生した不気味な日食。そして地面に魔法陣が広がり大地がひび割れ怪しい光が溢れ出すと、魔法陣の上に乗せられた人々が苦痛に悲鳴を上げた。
突然の阿鼻叫喚に透が唖然としていると、1人が溢れる自身の魔力に耐え切れず体を弾けさせ塵となって消えた。それを皮切りに次々と人々の体がひび割れ弾ける。
「……!? ……!?!?」
「ん? おい!?」
それはあの少女も同様で。地獄の苦痛に叫び声を上げ涙を流す少女の姿に、透は堪らず飛び出し少女とたまたま近くに居た人の手を引き魔法陣から引きずり出そうとする。体内の魔力を強制的に活性化させるサバトは透をも蝕み、全身を激痛が襲うが構わず2人を引っ張る。
しかしそれは一歩間に合わず、どちらも耐えきる事が出来ず体を
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