第八話 赤薔薇
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「ユージオ、さっき親子を誘導した。父親は負傷してるから、手を貸してやれ。それでギガスシダーまで避難しろ」
「わ、わかった」
背中越しにユージオが走り去っていく音を拾う。
これで思う存分、狩れる。
「やっぱり低能だなぁ。こんな簡単に挑発に乗ってくれるとはよっ!!」
迫りくるゴブリンに、基本単発技・《ホリゾンタル》をくれてやる。
何のひねりもないただの水平斬りだが、一撃で複数体ものゴブリンを葬り去った。
拝借した剣とは比べものにもならない威力だ。
「ぐるらっ……」
さすがに脅威に感じたのか、ゴブリンは距離を取り始めた。
無意識に頭に血が上る。
「村を壊して、村人を殺しといてよォ………なに逃げようとしてんだ?」
左手を前に突き出し、剣を構える。
そしてそのまま突き出した。
「「ぐるあぁぁぁ!!!!!!」」
単発重攻撃・《ヴォーパルストライク》
前方にいたゴブリンを一掃する。
「足りねぇなぁ!! 村を襲った罪、てめぇらの命で償えッ!!」
ゴブリンを斬り殺すたび、《青薔薇の剣》は、赤黒く染まっていく。
それに呼応するように、過去の自分に戻っていってるような気がした。
「死にさらせこのカスどもがぁ!!」
あぁ、クソ!!
何で思い通りにならない!!
この村は俺を助けてくれた。
受け入れてくれた。
なんでそんな村をこんなゴミどもに壊されないければならない!!
「どうしたぁっ!! もっとかかって来いよぉ!!」
手当たり次第に殺していく。
殺す。殺す。殺す。
斬っても斬っても湧いてくる。
他の場所にいたゴブリンも集まってきたのだろう。
心臓を突く。
首を跳ねる。
頭をかち割る。
口から突き刺す。
耳から串刺す。
殺す。
殺す。
殺す。
気づけば、死体の山が出来ていた。
服も、赤黒く染まっている。
よく見れば《青薔薇の剣》も、刀身の半分くらいまで赤く、黒く染まっていた。
「よくもやってくれたなぁ、このクソイウムゥ!!」
うるせぇ声がしたと思って顔を前に向ければ、図体のでかいゴブリンがいた。
コイツがリーダー格か。
無言で剣を構える。
「てめぇ、この《蜥蜴殺しのウガチ》と殺り合う気かぁ!! あぁ!? どうなんだクソガキィ!!」
「弱ぇヤツほどよく吠えるって、本当なんだなぁ」
「ガルルァアッ!!!!」
ウガチは蛮刀を振り上げながら怒り心頭で襲ってきた。
蛮刀を受ける。
想像以上の重さに思わず仰け反る。
「さっきの余裕はどうしたぁ!? 白イウムのガキィ!!」
「確かにアンタ
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