暁 〜小説投稿サイト〜
キリトである必要なくね?〜UW編〜
第七話 崩壊
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
になってくる。
 そして二十体を屠ったあたりで、まともにダメージを食らってしまった。

 咄嗟に後方に下がり、体術スキル・《弦月》を喰らわせたおかげで距離は取れたが、あまりの痛さに膝を突きそうになる。
 歯を食いしばり耐える。
 肋骨をいくつか折られたらしい。
 動くたびに抉るような痛みが体を走った。

 この負傷を皮切りに、ゴブリンの攻撃を躱せなくなっていった。
 肩や腕、足に食らうたび、針で串刺しにされているような痛みが全身を襲う。

 脳が焼き切れるんじゃないかという痛みに耐えながら、ゴブリンを殺していく。ただただ殺していく。

 ついに限界がきた。
 ゴブリンの棍棒を頭に食らった。
 意識が飛びそうになった瞬間、誰かが俺を呼ぶ声がした。
 
 なけなしの気力を振り絞り、意識を繋ぎ止める。

「カガトォォォォ!!!!!!」

 ユージオが俺を呼んでいた。
 麻袋を引きずりながら。

 俺は強引にゴブリンを引きはがし、ユージオに駆け寄る。

「何で戻って来たっ!」

「こ、これを……カガトに渡したくて……」

 引きずっていた麻袋をユージオは広げた。
 そこにはかつて小屋で見た美しい剣が光輝いていた。

「《青薔薇の剣》が、必要なんじゃないか、て思って」

 確かにコイツは、ジリ貧の現状を脱する鍵になる。
 だが本当に扱えるのか?
 コントロール権限とやらが足りないんじゃなかったのか?

 そんな疑問を見透かしたようにユージオは口を開いた。

「大丈夫。今のカガトなら、きっと使えるはずさ」

 俺は、《青薔薇の剣》を鞘から引き抜いた。
 重さを感じるが、以前までの反発するような重さとは違う。
 手に馴染むような、そんな重さだ。

 思わず笑みがこぼれる。
 どんな仕組みかはわからないが、本当に使えるようになっているようだ。

 これでまたコイツらを殺せる。
 親指を立て、下に向けた。

「さぁ、殺ろうぜゴブリンども。地獄へ落としてやる」



[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ