第七話 崩壊
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になってくる。
そして二十体を屠ったあたりで、まともにダメージを食らってしまった。
咄嗟に後方に下がり、体術スキル・《弦月》を喰らわせたおかげで距離は取れたが、あまりの痛さに膝を突きそうになる。
歯を食いしばり耐える。
肋骨をいくつか折られたらしい。
動くたびに抉るような痛みが体を走った。
この負傷を皮切りに、ゴブリンの攻撃を躱せなくなっていった。
肩や腕、足に食らうたび、針で串刺しにされているような痛みが全身を襲う。
脳が焼き切れるんじゃないかという痛みに耐えながら、ゴブリンを殺していく。ただただ殺していく。
ついに限界がきた。
ゴブリンの棍棒を頭に食らった。
意識が飛びそうになった瞬間、誰かが俺を呼ぶ声がした。
なけなしの気力を振り絞り、意識を繋ぎ止める。
「カガトォォォォ!!!!!!」
ユージオが俺を呼んでいた。
麻袋を引きずりながら。
俺は強引にゴブリンを引きはがし、ユージオに駆け寄る。
「何で戻って来たっ!」
「こ、これを……カガトに渡したくて……」
引きずっていた麻袋をユージオは広げた。
そこにはかつて小屋で見た美しい剣が光輝いていた。
「《青薔薇の剣》が、必要なんじゃないか、て思って」
確かにコイツは、ジリ貧の現状を脱する鍵になる。
だが本当に扱えるのか?
コントロール権限とやらが足りないんじゃなかったのか?
そんな疑問を見透かしたようにユージオは口を開いた。
「大丈夫。今のカガトなら、きっと使えるはずさ」
俺は、《青薔薇の剣》を鞘から引き抜いた。
重さを感じるが、以前までの反発するような重さとは違う。
手に馴染むような、そんな重さだ。
思わず笑みがこぼれる。
どんな仕組みかはわからないが、本当に使えるようになっているようだ。
これでまたコイツらを殺せる。
親指を立て、下に向けた。
「さぁ、殺ろうぜゴブリンども。地獄へ落としてやる」
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