第七話 崩壊
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るらしい。
ならば隙を突けば殺せるんじゃないか。
そのためには武器が必要だ。
丸腰で勝てるほど生半可な相手ではないだろう。
辺りを見渡していると、道の真ん中に倒れている人を見つけた。
彼の右手には長剣が握られている。
すかさずゴブリンを見る。
ヤツはこちらを見ていない。
反射的に体が動いた。
最短距離で剣に手を伸ばす。
長剣を持ち上げた瞬間、ゴブリンがこちらを向いた。
目が合ってしまった。
瞬間に悟る。
コイツらはあのゲームにいたNPCモンスターなんかじゃない。
黄色い眼球から放たれる強烈な悪意は人間のそれと全く同じだ。
俺は。
心の底から安堵した。
やるべきことが、あのゲームと同じだったから。
剣を握りしめ、地を踏みしめる。
同時に長剣を左脇に置く。
そして、ゴブリン目掛け矢のように飛び出した。
ゴブリンの目が驚愕に染まるのを意に介さず。
何かに押されるように距離を詰める。
間合いに入った瞬間。
閃光を纏った刀身を左下から斬り上げ、ゴブリンの右腕と首を落とす。
血が飛び散り、ゴブリンは絶命した。
そのまま勢いを落とさずに別の家の裏に隠れた。
息を整える。
「はぁ、はぁ……」
あの刀身の光に、突き動かされる感覚。
間違いない。
あれは《ソードスキル》だ。
なぜこの世界にそんなもの実装されているのかはわからない。
だがこれは好都合だ。
これでみんなを助けられる確率が上がる。
問題はこれからどうするかだ。
結局《ソードスキル》を使えたとしても多勢に無勢。
正面切ってやり合えば十中八九嬲り殺されるだろう。
見たところ、そこまで街中には死体がなかった。
あのそれなりに広い道にもこの剣を握っていた青年の死体しかない。
ヤツらの目的は虐殺ではないのだろう。
奴隷として闇の国に連れ去るつもりなのか。
もしそうなら、どこかに隔離されているはずだ。
だが、隔離場所を見つけたとしてどうする。
避難しようにも、この近くに村はない。
近隣の街までも馬で三日かかると聞いた。
その道のりを、歩きで追われながら進むのはあまりにもリスキーだ。
やはり敵のリーダー格を殺すしかない。
それで他のゴブリンが引いてくれるかはわからないが他に方法がない。
「だずげでぇぇぇぇ!!!!!!!」
近い!
誰かが襲われているのか?
どうする?
助けに行くか?
だがここで助けたらゴブリン共と正面から戦うことになる。
それは避けたい。
「おどうさぁぁぁん!!!!!」
重ねてしまっ
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