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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
なんにせよあたしは 旧友から託される
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か!!」

あれだけ粋な事言っていた宮本だが今は情けない表情をし、先生に助けを求めていた。
だが、どうしようもない。

「魔力炉の小型化は未だ開発中だ。少なく見積もってもあと3年の月日が必要になる。」
「じゃあ葵に3年待てって言うんですか!?」
「キミがいきなりあげると言わなければ良かっただろう。」
「だってぇ!!!」

まぁ…かっこつけたかったんだろうな。

「い、いいよ宮本。なんならフツーに手伝ってくれれば問題ないし…。」
「あの…。」

その時だった。
振り向けばそこには控えめに手を挙げた香子が。

「おや、どうしたのかね?」
「その問題…私になら解決できるかもしれません…。」
「え…?」

宮本の顔に希望の2文字が刻まれた。
パアァと笑顔になり、彼は無我夢中で紫式部の手を握る。

「マ…マジすか!?」
「はい…おそらくなのですが…。」

?

それから翌日。
場所は移り図書館。

「うん。問題なく動いている。各部異常もない。完璧だ。」

図書館を片付けているのはあたしや香子、ましてや宮本でもない。
なんの問題もなく駆動している、6機のメイド型ゴーレムだ。

「しかし驚いたよ。まさかゴーレムを"式神"として扱うなんてね。」

式神。
陰陽道などで使われる使役神のこと。
陰陽師と言えば安倍晴明。そんな晴明から陰陽術を教わっていた香子はそれを応用し、メイド型ゴーレムを式神ととらえ、使役することにしたのだ。

「活動範囲はこの図書館内に限られますが、これなら本来の性能を発揮出来るはずです。」

倒れた本棚を直し、ほこりのたまった図書館をみるみるうちに綺麗にしていく。
テキパキと掃除や修復作業を進めていくメイド型ゴーレムは見ての通り完璧に動いていた。

「ふむ…東洋の魔術とのハイブリットゴーレム…ならば式神ゴーレムと名付けよう。」
「なるほど…!」

人差し指をぴんと上げ、アヴィケブロンはそのメイド型ゴーレムに新たな名前を付けた。

「良かったな葵!」
「それはこっちのセリフ。良かったね宮本。大恥かかなくてさ。」

気前よくくれたゴーレムはこうして無事駆動。
これから彼女達(?)はこの図書館の一員として働いてくれるだろう。
そして

「ほんと…ありがとな。」
「いいってことよ。」

こいつには、本当に感謝しなきゃならない。

「じゃあその式神ゴーレムはありがたく使わせてもらうよ。後で返せって言っても…返さないからな!」
「かまわねぇよ。」

そうして宮本はフッと笑い、踵を返す。

「帰んの?」
「ああ。きっと誰かが先生のゴーレムを待ってる。いち早く商品化して…1秒でも早く届けてやりたいのさ。」

それじゃ動作確認も
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