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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
なんにせよあたしは 旧友から託される
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く風呂は貸してくれる夕飯もご馳走になって挙句の果てにはゴーレムもくれる。なんでそこまでするの?」
「なんでって…まぁ。」
頬をかき、そっぽを向く宮本。
やがて照れくさそうにしながら、こう言った。
「友達…だろ?」
「…は?」
友達。
たったそれだけで、ここまでしてくれたっていうのだろうか。
「確かに他にも友達はいるよ。いや…"いた"って言った方が正しいだろうな。」
"いた"ということは、そういうことだろう。
それに関しては何も聞かないことにした。
「こうやってお前が生きてて良かった。そんでやりたい事あるなら、俺が出来るだけ手助けしてやりたいって思ったのさ。友達、だからな。」
確かにこいつとは、高校生活3年間よくつるんでいた。
一緒にいることもなんだかんだ多かったし、コイツの家に行ったり逆にあたしの家にも招いたりした。
まぁ、その時は異性を連れてきてどうのこうのって両親に滅茶苦茶怒られたけどね。
でも異性だけど、彼を恋愛対象として見ることはまずない。
だからこそ友達でいられた。
向こうも、あたしをまず女として見ていなさそうだし。
「友達ってだけで…いいの?」
「当たり前だろ。このメイドゴーレム、喜んで差し上げるぜ。」
この好意に、甘えていいのだろうか…。
「じゃあ…分かった。もらうよ。」
宮本が手を伸ばしたので、それを握り返す。
「ああ…!存分に使ってくれよな!」
「いいところ悪いがマスター、まだ問題がある。」
「へ?」
握手を交わす中、アヴィケブロンが割って入ってきた。
「どうしたんだよ先生。」
「それ、まだ動かないんだ。」
「…え?」
動かない…?
「え?先生…動かないって…?え?」
「メイド型ゴーレム用の魔力炉…すなわちエンジンがまだ完成していない。スピードとパワーがあるがそれを補いきれる魔力炉が完成していないんだ。」
と、深刻そうに解説する先生。
つまり
「あげても…動かないと?」
「ああ。」
問題点としてまず、先程言ったようにメイド型ゴーレムには見た目以上の出力がある。
だが、そのパワーを発揮出来る魔力炉が開発できていないのだ。
相当の出力を生み出すのならば、当然魔力炉は大きくなる。
だがこのメイド型ゴーレム。見た目通り従来のゴーレムと比べ非常に小さく、それに搭載する魔力炉となるとどうにも小さく、出力もそれなりしか出なくなってしまう。
つまり、このゴーレムの性能を100パーセント出し切れる魔力炉がないのだ。
「小型の魔力炉で100パーセント出そうとしても、すぐに尽きてしまう。言うならばすごく燃費が悪くなる。」
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ先生!かっこつけた手前でそりゃないじゃないです
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