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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
なんにせよあたしは 旧友から託される
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がいいぜ!!ほら!!」
昔のようにからかってやったら案外素直にそれを認めた。
なんだ、もっと慌てるかと思ったのに。
「長旅で疲れてるだろ?ほら!シャワーでも浴びてこいよ!!」
「いや、そこまで疲れては」
「いいからいいから!そんな本読むより入ってこいよ!式部さんと一緒に!」
と、風呂場への道を教えてもらい、2人分のバスタオルを投げ渡され、部屋を強引に追い出された、
「なんだよ…余程読まれたくないものなのかよ…。」
だったら隠しとけって言いたいが、
「香子…どうする?」
「確かに歩き詰めで疲れていましたからね、折角なので入りましょうか、」
教えてもらった通り、廊下を歩いていく。
なんであんな風にしたのかはもうこの際どうでもいいや。
男だもん。えっちな漫画の一つや二つ読むもんな。
?
「…行ったな。」
場所は変わりラボにて。
扉に耳を当て、2人が風呂場に言ったことを確認すると宮本はふぅ、と安堵のため息をついた。
「マスター、一体どうしたんだい。」
「どうしたもなにも…いやーやばかった。先生、今度可動式の隠せる本棚作りましょうよ。」
「隠すとは…あのマスターの趣味で集められた漫画の事かい?」
アヴィケブロンは先程葵が手に取ろうとした漫画本を指さす。
「ええ、俺がそういうの好きってバレちゃ困るんで。しかし葵…まさかマジだったとはな…!俺の目に狂いはなかったワケだ…!」
「…。」
何やら独り合点しているマスターにアヴィケブロンは訳が分からず、首をかしげている。
「はて、どういうことだろう。」
?
それから
葵達が風呂から上がるとあの本棚は消えていた。
気になって「あそこにあった本棚は?」と聞いたが彼は適当な事を言うばかりだった。
さらに時は過ぎ、夕刻
「葵はさ、あの図書館で何しようとしてたんだよ?」
夕飯まで頂くことになり、食べながら2人は話をすることにした。
「何って…図書館経営。それと本を書く。」
「なるほど…読書好きだったもんな、お前。」
見た目は全然文学少女じゃねーのにと余計なことを付け足された。
「宮本は?」
「俺?俺はここを拠点にして先生とゴーレムの販売をやろうとしてる。」
「へー。」
このスーパーを改造して作られたここはいわばゴーレムの製造工場。
今はまだ販売していないものの、実験と試作を重ねてよりよいゴーレムを作り出し、売っていくとかなんとか。
「俺さ、見たんだ。色んなところで復旧作業してる人達。」
「うん。あたしも見た。」
田所先輩とこんちゃんの町のことを思い出す。
あそこも最初は人手が足らなかったり、現状を維持するので精一杯だった小さな集落だった。
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