ターン30 幻影の最終防衛ライン
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だやれるつもりだったがこのまま連戦は無理そうだ」
現役時代の彼からは、想像もつかないような弱音。何も言い返しはしなかったが、聞かされる側の糸巻としては思うところもあり、若干表情が歪む。
「七曜の奴も、同じようなこと言ってたなぁ。どいつもこいつも年が年が、ってよ……ほれ、おぶってやるぜ爺様よ」
「ははは、そこまで年を食った覚えはない。ただ、肩だけは貸してくれ……あつつ」
よろよろと手を取って立ち上がり、もたれかかってくる男の体。依然として筋肉質ではあるが、それでも心なしか昔の記憶にあったそれよりは小さくなっているようにも思えた。
「(アタシもいつか、近いうちにこーなんのかね)」
それは近い将来、こんな無茶な仕事をしていては確実に訪れる未来なのだろう、と思う。そうなったからといって、自分が逃げている過去に対しての何の贖罪になるわけでもない。
だけど少なくとも、それは今じゃない。扉を開けて外に出た、少し見ただけでは酔っぱらって肩を組んでいるだけのように見える2人の姿は、すぐに町の雑踏の中に紛れていった。
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