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遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン30 幻影の最終防衛ライン
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る際のリリース要因を相手フィールドのアンデットから賄うことができるのさ。幻影騎士団ラスティ・バルディッシュと覇勝星イダテンをリリースし、アドバンス召喚だ!死霊を統べる夜の王、死霊王 ドーハスーラ!」

 死霊王 ドーハスーラ 攻2800

 本源氏の操る東西モチーフ混成軍の最前線に構えていた2体の強力な戦士たちが、成すすべなくアンデットワールドの腐った大地にその足元から呑み込まれていく。それと入れ替わるように血の沼地の奥底から浮上して大蛇のような体を地面に引きずる湿った音と共に現れたのは、数多の死霊をその強大な力でいとも簡単に操ってのけるアンデットワールドの重鎮だった。
 彼が先ほど手札に回収したフラジャイルアーマーは、幻影騎士団の破壊に応じて手札から壁として特殊召喚できる……しかしそんな都合のいい未来など決して訪れないことを、本源氏は知っている。目の前のこの女は最後の最後でそんなつまらないプレイングミスをするようなデュエリストではなく、こちらの手を知ったうえで動いてくるということは、当然それなりの備えがあるとわかっているからだ。

「装備魔法、ラプテノスの超魔剣を発動。このカードをアンタのティアースケイルに装備するぜ……バトルだ。そしてバトルフェイズ開始時、ラプテノスの超魔剣の効果によって装備モンスターの表示形式を変更し、モンスター1体を召喚する」

 幻影騎士団ティアースケイル 守1600→攻600
 牛頭鬼 攻1700

 ティアースケイルが強制的に攻撃の姿勢を取り、その姿を間髪入れず解き放たれた死霊の奔流が押し流す。ドーハスーラの一撃が、最終防衛ラインを突破した。

 死霊王 ドーハスーラ 攻2800→幻影騎士団ティアースケイル 攻600(破壊)
 本源氏 LP2000→0





「終わったか……立てるか?」
「老骨に余り鞭を打たないでくれないか」

 大の字に倒れたままピクリとも動かず、しかし存外元気そうに返事する本源氏。その様子なら大丈夫そうだと判断し、糸巻もまた嵐の後のような部屋の中でどうにかひっくり返っていない手近な机の上に座り込む。お互い外傷の出るようなカードこそ使いはしなかったが、今のデュエルで体に蓄積されたダメージは決して無視できるほどのものでもない。
 だが腰を下ろした直後に糸巻は、息をつく暇もなく歯を食いしばって再び立ち上がった。デュエル前の会話から、ある可能性に思い至ったのだ。疲労と痛みで反応の鈍い体を引きずるように、本源氏の体を引き起こす。

「立てるか?なんて聞いてられねえなこりゃ。おいコラ、立ってくれ。巴の奴がここに来てもおかしくないんだろ?最終的にはお縄に付けてやるが、今はアタシが責任もってデュエルポリスで保護してやるよ」
「……ああ、そうだな。俺もだいぶ年か、ま
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