ツインズ×戦士達
SAO番外-兄貴
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それでも続けざまに、発する。無意味な言葉を。
「私のいた所に従兄が居れば、私達のサチは死なずに済んだの?なんで私達の世界に従兄は居ないの?従兄はなんで……私達の世界のサチは助けてくれないの……!?どうして私の近くに従兄みたいな人がいないの!?」
答えは簡単だ、世界が違うから。無数に有る、もしもの可能性で、きっと私やドウセツの存在が選ばれたのがいるべき世界で、従兄の存在が選ばれたのが従兄の世界だろう。決してそれらが交わる筈はなく、私の言葉はただ目の前に有る自分には決して手の届かない……現実。
そうか、私は……。可能性のある未来に……嫉妬していたんだ。
「悔しいよ……従兄には出来たのに……なんで。なんで……っ!」
もはや言葉は出ず、従兄の胸倉をドンッドンッと叩くだけだった。
情けないな。嫉妬だとわかっていても無意味な言葉を止めることができない。真実はどうあっても捻じ曲げることは敵わない。そんなのわかっているはずなのに、わからないのは、きっと私は……何もわかっていないからなのかな?
もしかしたら、ずっと何もわかっていないかもしれない。私が逃げたことでサチは死んだと言う真実を受け止めたのに、それをサチが生きている姿を見て、それを曲げようとしていた。今更なにを言ったって、自分にいた世界にいない人に八つ当たりしたって、私が逃げたことでサチは死んだと言う真実が変わるわけない。わかっているのに、それがわからないと……。
どうしようもないくらい、弱過ぎているんだろうな……。 気持ちが変わっても無駄なくらいに。
「……キリカ」
「なによ!」
どう思うのかしらね?こんな私に何か言いたいことでもあるのかな?
「……おれぁお前じゃねぇから、お前の思っている事とか、お前の気持ちちゃんと分かるわけじゃねえ……けどよ」
突然、従兄は不器用な声が振ってきた。
「お前がすげぇ強えぇ奴なんだっつーのは、よく分かった」
「え……」
それは、とても意外な言葉だった。何故なら、さっきまで、私とは真逆の事を思っていたのだから。
それに……。
「強くなんてないわよ!私一人じゃなにもできない、弱い存在だよ!」
「そうじゃねぇよ」
「え……」
「俺が言う強さのベクトルが違う」
ベクトルが違うってどう言うことだ?戦闘が強いって言う意味なのかな?そんなのは、ゲームの世界での数字は絶対的、数字が増えれば強くなる。その強さは数字であり、後はどうしようもなく弱いよ。
しかし、従兄の言う強さは自分が思っていた強さとは違っていて、それについて喋り出した。
「お前、さっきからずっと、サチの事だけ考えてねぇのな」
「そ、それは」
当然だと
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