67 文化祭の開幕
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かよ子とその両親だった。
「ああ、後はさくらだけだな」
「つうか、あいついつも遅刻するからな。寝坊するんじゃねえのか?」
大野が邪推した。
「まあ、そうかもな。ところで藤木は誰を待ってんだ?」
「え?あ、いや、僕は誰を待ってるんだっけ・・・?」
藤木は笹山を待ってるとは恥ずかしくて言えず、とぼけた。
「藤木君は、笹山さんを待ってるんだよね?」
かよ子は確認をとろうとした。
「え、あ、いや、そんな事・・・」
藤木は赤面して慌てた。
「へえ、笹山も行くのか」
「うん、その高校に近所のお姉さんが通ってるって言ってたよ」
たまえが説明した。そして・・・。
「藤木君、お待たせ」
藤木にとって待ち人来る。笹山が母と来た。
「あら、笹山さん。おはようございます」
かよ子の母は笹山の母に挨拶をする。
「おはようございます。皆さんも文化祭へお出かけですか?」
「ええ、ウチの隣に住んでる知り合いの甥子さんがその高校に通っていらっしゃるので」
「そうなんですね」
「藤木君、折角だから、皆で行こうよ」
「え?あ・・・」
藤木は本心では笹山と二人で行きたかった。
「う、うん」
かよ子には口では承諾したが、藤木の表情が少し暗く見えた。
(藤木君、笹山さんと二人きりでいたいのかな・・・?)
笹山は冬田やたまえと話している。一方、大野と杉山は長山やブー太郎と談笑しているが、藤木は笹山と話せないどころか、男子勢との会話にも入れていなかった。
「それにしてもさくらは何やってんだ?もう集合から4分も遅れてるぞ」
「うん、次の電車に乗らないともう文化祭始まってるよね」
「仕方ないわね。申し訳ないけど次の電車が来るまでまるちゃんが来なかったらもう行ってしまいましょう」
かよ子の母がそう言った途端、まる子が走って来た。
「ごめん、ごめ〜ん、寝坊しちゃったよお〜」
「お前、学校じゃなくても寝坊かよ」
大野が呆れて突っ込んだ。
「でも、揃ったなら皆で行きましょう」
こうして一同は駅の改札を通り、電車に乗った。笹山はまる子やたまえ、冬田と談笑を続ける。かよ子もその中に入っていたが、藤木は元気が全くないのを見て彼が気がかりになった。
「ところでさあ、笹山さんのその近所のお姉さんってどんな店やるのお?」
「焼き鳥と唐揚げよ」
「や、焼き鳥と唐揚げ!?あのお兄ちゃんと一緒だ!」
かよ子は偶然に驚いた。
「『あのお兄ちゃん』って?」
「あ、私の隣の家に住んでるお兄ちゃんだよ。私もその人から誘われたんだ」
「へえ、もしかしたらお姉さんと同じクラスかもしれないわね」
「うん、もしそうなら驚きだよ」
「そういえば長山君の近所に住んでる高校生のお兄さんも隣のお兄ちゃんと友達で、文化祭に行くって言ってた
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