第四部
Bブロック 5
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「簡単に私が出たら詰まらないじゃないか。悪いけど、今から江神くんの集中力を削ぎ落とさせてもらうよ」
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(なるほど。そういう趣向か。実力差は歴然だというのにそこまで慎重に戦闘を進めるくらいは俺を認めてくれたのだろうか)
拳大になった数百のゲートに影が浮かぶ。
春斗は両手で刀を握り締め、思いっ切り体を捻ると高速で水平に一回転。
彼を中心に小規模な竜巻が起こると数千の三日月が弧を描いて刃となり渦を巻く。
ゲートから現れた黒片は全て吹き飛んだ。
その光景を亜空間で眺めていた向子は口笛を吹きながら春斗の技量を称賛。
「下手に出ると斬られるかな? かと言って何時までも引き隠ってられないし、まあどうにかして隙を作りますか」
【空間振動】
手始めに空間を揺さぶってみる。
発生した振動が空間を波打たせた。
春斗は空間の変化を敏感に感じ取り、迫る振動から逃れるため、素早く移動。
彼が居た場所は空間振動によって生まれた衝撃波が押し寄せて破壊される。
「ふむふむ。もしかして空間振動だけだと倒し切れないのかもしれないね。ゲートの数は維持して江神くんの情報処理は散漫にしとこ。知覚する数にも限界が有るわけだし」
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向子が空間振動を乱発すると、春斗は【夜天中月/ムーンレイズ】の斬撃に【魔晄神氣/セカンドレイク】の【神速斬光】を合わせ、剣の振りを速めた。
三日月の刃も動きが高まって、より遠くへと飛んでいくようになる。
速まった斬撃で空気が唸ると風を起こし、空間振動とぶつかって相殺。
「へー。異能と超能力に剣技を組み合わせるとはなかなか器用だね。じゃあそんな江神くんには二つ行って見よーかー」
【空間歪曲】
空間が歪み捻じ曲がる。
【空間移動】
この能力の名前はテレポーテーションを略して付けたものではない。
故に空間を別の場所に飛ばしたり、能力者が空間を越えることは出来ないのだ。
出来るのは空間の移動。
空間を動かすだけの能力だが高位の空間能力者が使うなら厄介である。
「ヒュウッ……!」
春斗の喉が鋭く音を鳴らす。
(息継ぎや瞬きをするだけでも細心の注意を要求されるとはな……! 一体どれだけの余力を残しているんだ会長は……)
春斗は神速斬光を【ニノ段】に上げて新たな空間能力に対処する。
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