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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
ここからあたしは、始まる
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!」

跳ぶ。
図書館の天井が高くなければ恐らく突き抜けていただろうと思うくらいに跳んだ。

「死ねェッ!!」

右足を突き出し、そのまま全体重を乗せてゴーレムに飛び蹴りをおみまいする。
香子の言った通り、あたしの蹴りはゴーレムの胴体にぽっかりと穴をあけたのだった。

「…!!」

活動不可能な程のダメージを負ったからか、ゴーレムは膝をつき、動かなくなる。

目の光も消え、機能停止したことが分かった。

「これは一体…なんなのでしょう?」

最早人型の岩と化したゴーレムに香子が近付く。

「何か分かるの?」
「野生のごおれむ、というものはまずありえません。必ずそれを操る物、すなわち"創造者"がいるものなのです。」

つまり、誰かが操ってそれを連れてきたと言うことだ。
そして自分の持ち物であるゴーレムが破壊されたとなれば、異常を察知して持ち主が何かしらのリアクションをとることも当然だろう。
あれ…もしかしてあたし、やばいことした?

「先生、この辺っすよ。」
「ああ、間違いない。ここでゴーレムの生体反応がロストした。」

「声…?」

外から声が聞こえてくる。
男性二人の声だ。
さらに会話の内容から察するに

「思ったより早いですね。」

ゴーレムの持ち主だろう。

「香子…まだいける?」
「ええ。まだまだ魔力は有り余っております。」

香子にまた強化してもらう。
何が来るのかは分からない。
だが、そのドアが開いた瞬間強化されたキックを撃ち込み、ゴーレムと同じように腹に風穴開けてやる。
さあこい、来るなら来い。
ここはあたしが見つけた場所だ、奪われてたまるか。

「…!」

ギィとドアが軋んだ音を立てて開いた

「くたばれ泥棒!!!!!!」
「ええー!!!!????」

誰か確認することなく、蹴りを叩き込む。
だがそれは、地面から突然現れた岩の壁によって阻まれた。

「っ…!?」
「驚いた。即席とはいえまさか人間の蹴りで僕のゴーレムを破壊してしまうなんてね。」

岩の壁はヒビが走り、ボロボロと崩れ去る。
それを出したのは、いや、ゴーレムを使役していたのはサーヴァントだった。

「サーヴァント…!」
「いかにも、僕はサーヴァントだ。この辺りにゴーレムを巡回させていたのだが…まさか反応ロストの原因は君か…?」

落ち着いた声で淡々と話す、仮面で顔全体を覆ったサーヴァント。
香子と同じキャスタークラスであり、ゴーレムを使役することに長けたその者の名は

「キャスター…アヴィケブロン…!」

その仮面のせいで表情は伺えず、彼は何を考えているのか分からない。
ここには何しに来た?巡回?なんのために?
まさかここは…とうに彼
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