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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
ここからあたしは、始まる
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「小説が好き?なら書けばいいじゃないですか。歴史が好き?なら自分で今の歴史を綴ればいいじゃないですか。たった1度の人生、何もかも我慢するより欲望のままに生きた方がずっと気持ちいいハズです!」
勢いに負け、うんうんと何度も頷く。
「どうしたの?キャラ変わってない?」
「同じ思考、同じ志を持つ?同士…なんだか応援したくなってきちゃって…。」
そっか…。
なんかそこまで言われたら、やる気がわいてきた気がする。
香子風に言うのであれば。
「うん!書く気がもりもりわいてきた!!」
?
というわけで、あたしは本を書くためにまずは旅をすることにした。
なぜ旅かって?それは英霊…すなわちサーヴァントに会いに行くためだ。
ここに住んで1ヶ月、あたしはあることを知った。
それはあたし達と同じく、サーヴァントの召喚に成功したマスター達。
彼らは皆、何かしらの手段を使ってこの世界を生きている。
ある者は建築業を
ある者は傭兵を
そしてある者は気ままに旅を
サーヴァントにも様々な人物がいるように、目的や生き方にも同じものなんてなかった、
それぞれが、それぞれの人生を謳歌している。
だからあたしは気になった。
ある意味、第2の人生とも言えるサーヴァントとしての生き方。
彼らはどのようにしているのか、あたしはそれを新しい歴史として本に記していくことにしたのだ。
「葵様の夢…素晴らしい夢です。私も全力で応援させて頂きますね!」
これに対して香子は大賛成。
旅には喜んで同行してくれた。
まずは何を書くかは、決まっている。
動物とは思えない賢さで人を翻弄し続けた狼王と、戦国時代にて名を馳せた狂戦士が今サーヴァントとなって生を受け、どうやって暮らしているかだ。
当然、田所先輩やこんちゃんには許可をもらってる。
「達者でねー!!」
「辛くなったら、いつでも帰ってきてくださいねー!!」
マスターの2人、そして町の住人達が旅立つあたし達に手を振って見送りしてくれた。
それから約3時間…
「葵様…?」
旅立ってから一言も言葉を発さなかった香子が、ここで初めて口を開いた。
「ん?」
「一体どちらへ向かわれているのでしょうか?自由な旅とはいえ、あてがなくてはそれは流浪の者と同じです。」
不安そうに聞くが、安心して欲しい、
きちんとしたあてはある。多分
「大丈夫、今向かってるのは地元だよ。」
「じ、地元!?」
「うん。」
家に帰る?
違う、そうじゃない。
「本を書く上でさ、やっぱ”拠点”が必要だと思ったんだよね。」
「拠点…ですか?」
「そう、書いた本はどこにしまうのか?落ち着いて書ける場所の確保はどうするか、それに
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