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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
ここからあたしは、始まる
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「ほんとに行っちゃうの?」
名残惜しそうな田所先輩の声。
ここにいて欲しい気持ちはすごくわかる。でもあたしはもう、決心したんだから。
「夢を叶えに…やりたいことをやりに行くんですよね?」
「うん。後押ししてくれてありがとね。こんちゃん。」
近野さんにお礼を言い、荷物をまとめたカバンを肩にかけて歩き出す。
何故こうなったか、
それは、今日の朝にまで遡る。
?
「ゆうべはおたのしみでしたね」
「は?」
朝日を浴びながら読書をしていると近野さんが声をかけてきた。
「こ、近野さん?」
「こんちゃんでいいですよ。本当なら先輩にしか許してない呼び方ですけどあなたにならいいです。」
「そ、そうなんだ…でさっきのは?」
先程言ったなにやら意味深な言葉。
夜のことは何も知らないはずだ。
「言ったままの意味ですよ。昨晩、2人とも大層盛っていたので…。」
「え"」
バレてた。
「アスクレピオスさんには止められたんですが、一応ご飯くらいは持っていこうかなーとしたんですよ。そしたら部屋からすごい声が聞こえてどうしたんだろと扉の隙間から覗いてみたら2人がえげつないレズセックスを…」
「もういい!もういいから!!」
見られていたと思うと、一気に恥ずかしさが込み上げてきた。
「でも葵さん、ベッドの上では紫式部を"香子"って呼ぶんですね。」
「そ、それは別にいいじゃん!!」
「雰囲気的に感じとってはいたけれど、まさか葵さん…レズビアンだったなんて…。」
「ひ、人のこと言えないでしょ!その…こんちゃんも!!」
「ああ、バレてました?そうです。私もです。」
笑い混じりに言う近野さん。
誤魔化したりはせず、堂々とカミングアウトしたのだった。
「ところで、何を読んでるんですか?」
「ああこれ?へシアンが持ってきてくれたんだけどさ…。」
本を読むのが好き。
それを聞いて外へ調査へと赴く探検隊達は本を見つけるとあたしのところに持ってくるようになった。
この町がこうして大きくなったのはあなたのおかげだから、せめて礼がしたいといって渡してくるのだ。
そして本を渡してくるのは、人間だけではなかった、
「…?」
ある日、首のないサーヴァントがあたしのところにやってきた。
首が無い時点でもうほぼ何者かは絞れるだろう。
そう、へシアンだ。
ロボに乗っかっているあの首無し騎士だ。
「…。」
「くれんの?あたしに?」
無言で本を渡される。
首が無いので喋る事が出来ないのは当然なのだが。
ということで、へシアンは人と意思疎通を図るためマスターの田所先輩から筆談を教わったのだ。
【民家の跡地で見つけた。迷惑でなければ受け取って欲しい】
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