第二章
[8]前話
「特にね」
「それじゃあ」
「そう、そして君達も私に何かする訳じゃないね」
「ただ見に来ただけよ」
カトンテールはまた答えました。
「本当に。そもそも私達兎だし」
「何かをすることはないね」
「ええ、誰にもね」
それはしないというにです。
「跳んだり走ったり隠れたりするけれど」
「それだけだね」
「誰かを襲うことはしないわ」
決してというのです。
「それはね」
「そうだね、じゃあお互いに何もしないのなら」
「別に、なのね」
「君達が私を見てもいいし」
特にとです、白鷺はカトンテールに答えました。
「私も君達に何もしないよ」
「そうなのね」
「特にね」
これといってというのです。
「まあ私を見る為に来て私を見たのならいいね」
「ええ、目的は達成したわね」
「そうよね」
「これでね」
フロフシーとモフシーも言います。
「それじゃあね」
「私達も満足よ」
「そうだね、じゃあ私は暫くここにいるけれどどうするのかな」
「そう言われたら」
「どうしようかしら」
「これから」
三姉妹は白鷺に言われてどうかというお顔になりました、そしてです。
三匹でお話してです、そうしてから白鷺に言いました。
「とりあえずお家に帰るわ」
「ここまで来たらもういい時間だし」
「そうするわ」
「わかったよ、じゃあ私は今日はここで休むことにするが」
「これでお別れね」
「そうね」
「それじゃあまたね」
三匹は白鷺に言ってそうしてでした。
田んぼにどんな鳥か見に来た白鷺と別れてそのうえで、でした。
お家に帰ってそれから家族に白鷺のことをお話しつつ一緒に晩ご飯を食べました。するとお父さんもお母さんもお兄さんも三匹のお話に明るいお顔になりました、そうして食べた晩ご飯はとても美味しいものでした。
田んぼの鳥のお話 完
2020・4・1
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