彼が寝ていたら
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分の手を重ねた。
「ええ。私はここに居るわ……。あなたがセレナにそうしようとしてくれたように、私もあなたを離さない。……おやすみ、ツェルト」
そう言うと、ツェルトは安らかな笑みを浮かべた。
翌朝
「……ん……毛布?……マリィが来てたのか……?」
ツェルトはそう呟きながらスーツに袖を通し、マリアを起こしに行く。
二人が晴れて結ばれ、目覚めた妹と共に暮らせるようになるのは、もう暫く先のお話……。
ff
・特権(恭みくの場合)
朝、目覚ましの音が鳴り響く。
泊まりに来ていた彼を起こさないよう、未来は素早くそれを止めてベッドから上体を起こす。
彼女の隣には、恋人である恭一郎が眠っていた。
「逞しくなっても、恭一郎くんの寝顔は変わらないなぁ……」
クスリと笑い、その顔を見つめる。
もう、彼の寝顔を見られる日も当たり前になってきた事を実感しながら、彼とのこれまでを振り返る。
あの日、自分の力になると言ってくれたことを。
自分を守る為にと、地道に鍛錬を続けていることを。
そして、デートに行く度にエスコートしてくれるほどまでに、彼が成長していることを……。
未来(みらい)へと募る想いは、日々を重ねて前へと進んでいる。大事にされているという実感が、未来の心を満たしていた。
「これからも、2人で歩いて行こうね……わたしのナイトさん♪」
まずはそんな彼のために、美味しい朝食を作ってあげよう。
鼻歌交じりにキッチンへと向かう未来の顔は、とても明るかった。
ff
・イタズラ心?(飛きり)
「飛鳥さーん、聞きたいことがあるのデスが……」
課題を手にリビングへと出てきた切歌。
そこには、ソファーでうたた寝している飛鳥がいた。
「グッスリデスね……。そうデス!いい事思いついたのデス!」
切歌は飛鳥の頬をつついたり、ぬいぐるみで囲んで写真を撮ったりと、飛鳥が寝ているのをいい事に悪戯を始めた。
「う〜ん、これでも起きないのデース……。そうだ!ねぼすけの飛鳥さんには、こうしてやるのデース」
切歌は飛鳥に向かい合うと、ゆっくりと唇を近付ける。
顔が近づくにつれて、頬が紅潮していくのを感じる。胸が高鳴り、とうとう唇が触れるまであと数センチ……。
「……暁?」
「デスデスデスッ!?////」
無意識に閉じてしまっていた目を開くと、飛鳥が頬を赤らめ、驚いた顔でこちらを見つめていた。
「なななななっ、なんでもないデースッ!!」
切歌は慌てて後退ると、そのまま自分の部屋へと逃げ込んだ。
(……言えない……実は途中で起きていたなんて……。まさか、あんな可愛い顔で迫って来るなんて……)
その後、切歌の悪戯に対して軽く説
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