幕間 安東夫妻のほのぼの☆東洲再建記
第一章安東家中改革
安東家中大改革(中)
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に接触。
東ノ府会戦において、大倉山造衆は目加田家に反乱を起こし東洲子爵である目加田直弘の手勢を討ち取り、要路を爆破、そのまま戦場から離脱したことで東州公軍は大敗することになった。
「あった者達は目加田公の手勢に殺されました――残ったのは東洲乱に積極的に介入した者達の生き残りです」
だが敗戦後の残党狩りを恐れた目加田家は主君亡き後、責任の押し付け合いが加速し内乱に陥った。そして残党の一部は大倉山地の占拠を計画。山造衆が秘匿していた隠し港を狙っていたとも噂されていた。
主要拠点である夷野側の鉱山地域の設備を放棄、略奪による壊滅的な被害を受け、さらに大倉山地の中を逃げ廻ることになった。
を一通り受けた彼らはそれでも強かに東洲最大の産業用地である大倉山地の復興と目加田直弘の首を盾に皇主への忠誠を誓い、帰順した。
光貞は一度冗談めかして実質安東家中を乗っ取る気満々の海良水軍と似たようなモノだと口にしたがその夜の趣向が一方的かつ著しく変更されてから二度と口にしなくなった。
「‥‥酷いものらしいな」「酷いものですよ」
州政庁が送り出した文官を相手に有耶無耶な説明や露骨な嘘を吐き、場合によっては”匪賊”を利用した恫喝すら行っている。
安東家が皇都からの支援を受けている事で”自分達が代々作り上げた”物を奪われる事を悟っているようだ。
「――例の宮浜はどうしている」
工部省の【嘱託】調査員、あまりにも胡散臭いが中央から金を引っ張てくるには腹立たしい事に彼の協力が不可欠である。
「末美と保安隊の気が利く者を何名かつけさせていますが――」
ふぅ、と瑠衣子はため息をついた。
「どうも”腕っこき”なのは間違いないようです」
光貞達は、内治と東洲鎮台の設立準備――鎮台は軍政機構なので正確に言えば鎮台が設立され部隊の編制(及び編成)が行られるのだが――に専念していたが、一方でこの男の目的も探りを入れていた。
光貞はうぅんと唸った。
「そもそも彼は誰でどこの誰が東洲送り込んできたのだ。連れてきたのは末美君だったな」
細巻を咥え、長椅子に座ると瑠衣子は隣に腰かけた。
護州の者ならまだいいが背州であれば腹に何を抱えているのか分かったものではない。
執政府の改革派や皇都の大店連中であれば大倉山地の鉱山、林業利権を奪われるかもしれない。投資による利益の分配なら――安東が配る側に立つのであれば――まだしも利権の支配権を譲り渡すなど認められるものではない。
安東家は関州の売り飛ばした資金とあちこちから借り入れた金を東洲の大地に注ぎ込んでいるのが実態である。
他人の金でやる政治は美味いかと聞かれて満面の笑顔で美味しいですと答えるのが瑠衣子であったがそれは返済を行う自信があるからこそだ。
「それが、どうも誰が送り込
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