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曇天に哭く修羅
第四部
Bブロック 3
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が少ないからだ。

魔晄を使ったところで外装の威力が上がるわけでもないし防壁で頑丈になるくらい。


(そうなんだよね〜。江神くんみたいな例外を除いては。というか、外装に魔晄を使うなんて普通はやらないし)


練氣術の域まで魔晄操作を習熟した者ほど魔晄と外装を合わせようとしない。

それは何故か。


「魔晄外装は『魂』から出来ている。そこに自分から生まれたとは言え、魔晄という『異物』を混ぜるなんてやらないよ。外装の表面に展開して防壁を張るくらいならやるけどさ」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


外装の外で使うなら解る。

元が魂でも既に固体化した物質として、道具として物質世界に成り立っている状態でエネルギー源としての魔晄を注ぐのも理解できる。

だが自身の魂によって構成された外装を構築する[構成]に魔晄を組み込むというのは魔晄操作の技術と知識を持つ者ほど理解しがたい。

向子は春斗の思想を何となく理解しているが、それを実行に移すかどうかは別。


「魔晄で[肉体]を強化できる。それならば[霊魂]から生まれた外装でも同じことが可能であるという結論に至るのは珍しいことではないと思いますが」


春斗は当然のように告げる。


「結論が出てもやらないからね普通。私も人のことを言えないけどさぁ〜」


彼が『鬼』ではなく『人』だと聞いていた向子は春斗がこんな発想をする筈が無いと油断していたのか、隠すことも無く呆れている。


「君は想像を超えてきたね。実力はアタシの方が上だけど異端というか、突飛なところは江神くんの方が上じゃないかな」


向子は予測より春斗が上回ってきたことに驚くも、同時に嬉しくなっていた。


(立華くんが個人戦に出られなくとも良いライバルになってくれそうだ。その時は翔くんも一緒に立華くんの力を引き出してもらうよ)


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