第二百八十二話 魔女その三
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「本当にね」
「そうよね」
「そのこともわかるね、この学園だと」
「ええ、いい勉強になるわ」
「フィンランドから世界を回るけれどね」
クリスマスの時にだ。
「一人じゃないんだよ」
「ひょっとすると何千人もいるのね」
「うん、あとサンタさんは」
僕はこの人についてさらに話した。
「妖精だろうね」
「人じゃなくて」
「聖人かも知れないけれど」
僕が知る限りではだ。
「妖精だと思うよ」
「そちらなのね」
「妖怪というよりかはね」
妖精だと思う。
「それでね」
「フィンランドから世界を巡るのね」
「そうじゃないかな、それとね」
「それと?」
「もう一つ思うことは」
それはだ。
「この学園にいる理由はね」
「どうしてかしら」
「それが何かって思うんだ」
どうにもだ。
「一体」
「飲みに来たとか?」
詩織さんはこう言ってきた。
「それでじゃないかしら」
「お酒をなんだ」
「サンタさんも飲むでしょ」
「フランスだとね」
僕はまずはこの国のサンタさんの話をした。
「ワインを飲むよ」
「フランスというとワインだけれど」
「あちらのサンタさんもなの」
「あそこは家に来たサンタさんにワインを振舞うから」
そうした習慣とのことだ。
「だからね」
「それでなのね」
「あちらのサンタさんはワインなのね」
「そうだよ、それでフィンランドだと」
サンタさんのお国だ、他ならぬ。
「あそこはウォッカよく飲むから」
「ウォッカなのね」
「それを飲むのめ」
「そうだと思うよ」
僕の見立てではだ。
「寒いからね、あそこは」
「フィンランドの寒さってね」
香織さんが言ってきた。
「聞いたけれど」
「ここにはフィンランドから来てる子もいるしね」
「ええ、その子から聞いたけれど」
「ロシア以上に寒いらしいから」
寒い国の代名詞のあの国以上にだ。
「緯度が高い分」
「それでよね」
「もう飲むお酒はね」
それこそだ。
「ウォッカなんだよ」
「ロシアもそうだけれどね」
「ロシアと同じかそれ以上に飲むらしいから」
そのウォッカをだ。
「だからサンタさんもね」
「ウォッカをなのね」
「かなり飲んでね」
そのうえでだ。
「橇を挽いてるかもね」
「橇から落ちない?」
詩織さんは僕のその話を聞いて言った。
「トナカイのあれから」
「ああ、それだね」
「ええ、そんなお話ないけれど」
「そこまで飲まないか」
それかだ。
「かなり強いんだろうね」
「それでなのね」
「トナカイの橇でお空を飛んでも」
ウォッカを飲んだうえでだ。
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