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魔王の友を持つ魔王
§???--《大晦日リターンズ!》
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「まったく恥ずかしがり屋だねぇ」

「「「それはない」」」

 しょうがない、といった風の黎斗に対し、この場の全員が同じ事を口に出して否定する。全員が全員、見事な満場一致っぷりを見せつける。

「……まぁいいや。じゃあ僕はこれから帰省するかな」

「え。お前これから帰省すんの?」

 考えてみればアパートが消滅し、日々アパートを探しながらホテル住まいをしている黎斗に年末帰省をしない、という選択肢は無いだろう。

「うん。甘粕さんからレンタカー借りて」

 見れば護堂の家の前にいつの間にか止められているレンタカー。

「……れ、れいとさーん? 車の運転免許はまだ取れないですよー?」

「じゃーん。コレ、なーんだ?」

 これはマリアンヌと同じく危険なニオイがする。黎斗の年齢で車の免許証など取れる筈が無い。十中八九、偽造だろう。

「そんな目で見なくても大丈夫だよ。一応自動車学校卒業しているから」

「こっから地元まで距離あるだろ。今年中に帰れるのか?」

「うーん。今からなら、高速ぶっぱすれば夕方には帰れる筈。道に迷ったら死ねるけど」

 時刻はまだ正午を少し回ったころだ。時間的な余裕はかなりある。

「さて、それではみんな、本当にありがとう。では」

 感謝の言葉と共に黎斗が運転席に乗り、狐に戻ったエルが後部座席に座りこむ。

「あ、そうそう来年もぜひ掃除をお願いしま」

「「「絶対イヤ」」」

「……oh」

 間髪入れずに拒否の言葉を受け取って、少し凹むも気を取り直す。

「まぁ、来年になったらまた頼む思」

「「「だからイヤ」」」

「れーとさん、ドンマイ」

 苦笑しながら助手席に乗る恵那。誰だってあんな万魔殿、やりたくないに決まっている。

「しゃーない。来年は羅濠と護堂と恵那とエルと媛さんとスサノオ、かな」

「おい、俺を勝手に巻き込むな!!」

「じゃあみなさんよいお年を〜」

 護堂が何か喚いているが、無視。みんなに挨拶をして出発だ。

「「「良いお年をー」」」

「ちょ、お前ら、俺を売るのか!?」

 護堂の悲鳴が、年末の空に虚しく響いた。
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