§???--《大晦日リターンズ!》
[5/5]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
「まったく恥ずかしがり屋だねぇ」
「「「それはない」」」
しょうがない、といった風の黎斗に対し、この場の全員が同じ事を口に出して否定する。全員が全員、見事な満場一致っぷりを見せつける。
「……まぁいいや。じゃあ僕はこれから帰省するかな」
「え。お前これから帰省すんの?」
考えてみればアパートが消滅し、日々アパートを探しながらホテル住まいをしている黎斗に年末帰省をしない、という選択肢は無いだろう。
「うん。甘粕さんからレンタカー借りて」
見れば護堂の家の前にいつの間にか止められているレンタカー。
「……れ、れいとさーん? 車の運転免許はまだ取れないですよー?」
「じゃーん。コレ、なーんだ?」
これはマリアンヌと同じく危険なニオイがする。黎斗の年齢で車の免許証など取れる筈が無い。十中八九、偽造だろう。
「そんな目で見なくても大丈夫だよ。一応自動車学校卒業しているから」
「こっから地元まで距離あるだろ。今年中に帰れるのか?」
「うーん。今からなら、高速ぶっぱすれば夕方には帰れる筈。道に迷ったら死ねるけど」
時刻はまだ正午を少し回ったころだ。時間的な余裕はかなりある。
「さて、それではみんな、本当にありがとう。では」
感謝の言葉と共に黎斗が運転席に乗り、狐に戻ったエルが後部座席に座りこむ。
「あ、そうそう来年もぜひ掃除をお願いしま」
「「「絶対イヤ」」」
「……oh」
間髪入れずに拒否の言葉を受け取って、少し凹むも気を取り直す。
「まぁ、来年になったらまた頼む思」
「「「だからイヤ」」」
「れーとさん、ドンマイ」
苦笑しながら助手席に乗る恵那。誰だってあんな万魔殿、やりたくないに決まっている。
「しゃーない。来年は羅濠と護堂と恵那とエルと媛さんとスサノオ、かな」
「おい、俺を勝手に巻き込むな!!」
「じゃあみなさんよいお年を〜」
護堂が何か喚いているが、無視。みんなに挨拶をして出発だ。
「「「良いお年をー」」」
「ちょ、お前ら、俺を売るのか!?」
護堂の悲鳴が、年末の空に虚しく響いた。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ