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魔王の友を持つ魔王
§???--《大晦日リターンズ!》
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取扱い不能な品が眠る、超危険エリアだ。

「あ。ソレ黎斗がよく用いる槍だよな」

 ロンギヌスを拭いている黎斗の背後から護堂が声をかけてくる。

「そーだよ。ロンギヌス。神殺しの槍」

「ん?」

 聞き覚えのあるフレーズに脳から情報を引っ張り出す。はて、どこかで聞いたような。

「ロンギヌスって聖絶の言霊じゃないかそれ!!」

「ん。あぁ、そだね」

「煩いですよ義弟よ」

 どうでもよさそうな二人の声に、護堂は自分がおかしいのではないだろうか、などと錯覚を受ける。否、断じて否だ。自分が間違っている筈が無い。

「……なんでそんなもんがここにあるんだ?」

「いや。そんなこと言われても……僕の相棒だし?」

 なぁ、などと槍に語りかける黎斗。

「いや。じゃあエリカの聖絶の言霊って……」

「んー。よくわかんないけどロンギヌスの力の一端を使ってるっぽいカンジだよね」

 微妙に修得してないからよくわかんないけど、などと続ける黎斗に護堂は戦慄する。

「おい、まて。それじゃあこの槍はエリカのやつが聖絶の言霊を使っているのと同じ威力を常時出せるのか!?」

「何言ってんのさ。コイツがそんな雑魚なワケないじゃん」

 呆れたような黎斗の視線とそれに同意する教主に果てしない疎外感を護堂は感じる。

(駄目だ……ここにいる二人は人間やめてる。話が全く通じていない……)

「お義兄様、こちらの武器はどうすれば」

 教主が小首を傾げた先には古びた剣がソファーの上に置かれていた。

「天之羽々斬とかジュワユーズ、オハン達か。そいつら結構メンドくさいから僕がやろう。愚者の翼(イカロス)やアンドヴァリナウト、賢者の石とかお願い。こっちにあるから。あ、そのお酒飲んじゃダメよ。酒呑の大将を殺しかけたヤバい酒だから」

「わかりました」

「おかしい……絶対おかしい……」

 護堂が部屋の隅で唸っている間にも、作業は刻一刻と進められていった。





「いやー。今日は手伝ってくれてありがとう!」

 現世に戻ってきて黎斗が皆に感謝を述べる。場所が取れなかったので草薙家の玄関前で閉会式だ。

「いや。うん。お前が良いならそれで良いんだ……」

「よ、良かったですね……」

「「「……」」」

 教主の奮闘の甲斐もあり、予想以上のペースで片付けが終わった。嬉々とする黎斗。微妙な顔の護堂と祐理。言葉を出すことすら諦めてその他、と実に対照的な表情だ。

「お義兄様。また何かありましたら呼んでくださいませ。では羅濠はこれで失礼いたします」

「あ……もっとゆっくりしていけば良いのに」

 丁寧に一礼し、姿を消した羅濠教主に黎斗がぼやく。


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