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魔王の友を持つ魔王
§???--《大晦日リターンズ!》
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しり書き込まれている。特に文字は日本語とは思えない。

「あ〜。コレこんなところにあったんですか。……どおりでマスターが探しても見つからないワケですね」

「……エルちゃん。コレなに?」

 恵那の指さす絵は三角丸四角が縦に連なっており、丸の中には×印が三つほど描かれている。四角の四隅からは棒線が飛び出しており、その横に書かれているのはH2SとCOの文字。初見で理解出来るわけがない。

「それは毒ガスのレシピです」

「「……え゛」」

「……ねぇリリィ。私幻聴が聞こえる程に疲れてるみたい。護堂の元で休んでくるからここお願い」

「逃げるなエリカ。これは現……現実だ」

 卑怯だ、とか外道だ、とかそんな感想すらも出て来ない程疲れきった、否、無表情なリリアナが漏らした感想は、全員の内心を代弁していた。

「毒ガスなんかなにに使うのさ……」

「経口接種ならば呪いは神にも有効です。無色無臭ならそれなりに有効らしいですよ?」

 マスターは権能(ヤマ)のおかげで毒へっちゃらですし、と続けるエルに一同はぐうの音も出ない。

「周囲が荒野ならばこれでまつろわぬ神を倒せるのではないか、と考えたらしいのですが結局没になりました」

 まつろわぬ神は無人の地に行きませんし都会で毒ガスは危険ですからマスターは没案になさいました、と補足する。

「……いや、そーゆー問題じゃ」

 流石に恵那も表情がひきつる。まつろわぬ神相手に毒ガスなどというチャチな代物が通用するものか。

「毒ガス程度で倒せるのならば苦労しないわ」

 憮然として言い返すエリカにエルは笑う。

無色無臭(・・・・)かつ神獣を秒殺出来る威力の毒なら如何です?」

「「馬鹿な!」」

 そんな毒など有り得ない、そう否定する大騎士達に対し、何かに気づいた鷹化が横から口を挟む。

「……いや。有り得る。狐の姐さん、それは師祖の権能かい?」

「ご明察」

 黎斗の権能「闇夜に眠る夢をみる」で発生させた邪気を利用しているらしい。らしい、というのはエルには理論がわからなかったからだ。威力を下げる代わりに邪気の気配を薄め無色にすることで転用する、とは本人の弁。どっちにしろわかりたくないしわかったら負けな気がする。

「コンセプトは「規格外(ぼくら)が出張らなくても神を殺せる必殺兵器」「あなたの町の鉄壁★守護者」らしいですよ。もっとも使用者が最初に毒を浴びて即死するので没案化しましたが」

「神をも殺せる毒ならばそれはそうでしょうねぇ!!?」

 怒鳴る彼女を責めるものはここに誰もいない。思考を停止させたまま、黙々と一同は掃除と整理をこなしていく。





 六階。倉庫最上階にして神殺しや神以外は
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