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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga10覚醒〜Calls from the past〜
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ルチレイヤー》――

サンダルフォンの14層の多層結界で巨人を閉じ込める。ガスは気体だからこそ魔法でも封じ込めることが出来るんだ。巨人本体に攻撃されたらダメだけど・・・。反撃が始まる前にシャル達の総攻撃が始まった。

「飛刃・翔舞十閃!!」

永遠なる凍土を生ずる王剣(スパーダ・デ・フリオサタナス)!!」

シャルの放った10個の刃は結界をすり抜けて巨人へ到達して、首から下を寸断。そこにセレスの巨大な冷気の剣が崩壊し始めた巨人を貫いて、瞬時に凍結を始める。

「シュトゥースヴェレン・ツ・フェアブライテン!!」

ルミナが右足で思いっきり地面を踏んづけた。あの技は指向性衝撃波を放つというものだ。衝撃波は巨人に向かって地面を割りながら走って、到達すると崩落中の破片がさらに細かく砕けた。そして胴体を失ったことで無事な頭部も落下して、胴体の破片にぶつかると派手な音を立てて崩れた。

「攻撃中止! 次の一手を最大警戒! 結界内で新たな魔術を発動するはず! 侵入者に攻撃を当てないよう注意しながら、次の魔術を即座に破壊する!」

――違うよ。彼は、そんな真っ当な考えをするわけがない――

「え・・・?」

シャルの指示に交じって別の誰かの声が頭の中で聞こえた。周囲を見回すけど、その声の主はどこにもいない。そもそも念話でも通信でも口頭でもない。

――セラティナ。今こそあなたは、魔術師――結界王としての真価を発揮しないとダメなの――

(気の所為なんかじゃ、幻聴なんかじゃない。結界王の真価ってなに? 私のことを言ってるの? でも私は魔術師じゃない・・・)

だけどクラリス、それに騎士トリシュタンや騎士アンジェリエも、ルシルの力で後天的に魔術師になることが出来た。前世の記憶と魔術を見て知るって方法だったはず。もしかして、これがそうなのかも・・・。

――いい? 彼の性根はどうしようもないほどに腐っている。そして敵で弄ぶのが大好きな気質な、正真正銘の狂人。もう結界の中には居ないと思った方が良いから、今の結界は解除しても大丈夫――

「あ、あのっ、あなたは一体何者なんですか?」

「び、びっくりした・・・。セラティナ、急に声を出してどうしたの?」

一方通行の言葉なのか、それとも私との会話が成り立つものなのか、どちらか判らないから声に出してそう尋ねてた。私の側に居たクラリスが目を丸くして私を見た。私は「ごめん、なんでもない」って謝ったところで・・・

――混乱は尤も。でも今は私の声に集中して。大丈夫。混乱なんてすることない。だってあなたは、私の声を知ってるはずだよ――

また声が頭の中でした。ううん、頭の中というより胸の奥から響いてくるような。でもうん、落ち着いてみればこの声を・・・私は知ってる。確か
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