暁 〜小説投稿サイト〜
天才少女と元プロのおじさん
死神ヨミちゃん
10話 やっぱ良いチームだよなぁ??????
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「おーい、ヨミ。いつまで泣いてるんだ?」

 

 稜はメソメソしながら珠姫に肩を借りて歩く詠深に呆れながら言った。

 

「だってぇ……嬉しかったんだもん……初勝利〜〜」

 

 号泣する詠深の横で、彼女の今までの苦労を聞いていた息吹もまた思わず貰い泣きをしていた。

 

「新越谷に入って良かった……」

 

 そんな詠深の言葉に一同はやれやれと優し気な笑みを浮かべる。

 

「この後お祝いしたいな〜」

 

 芳乃のこの言葉にみな賛同した。理沙の提案でカラオケでパーティをする事となった。

 

「あ、そのパーティにお祝い一つ追加で」

 

 そう言うのは珠姫。曰く、もうすぐ詠深の誕生日との事。

 

 それを聞いた一同は姦しく詠深にお祝いの言葉を送る。

 

「でも意外だなー。ヨミちゃんは誕生日が近付くと自分からアピールするタイプかと思ったよー」

 

 正美は詠深の近くで見上げるように言った。

 

「そ、そんな事は〜……」

 

 詠深は否定しながら目を逸らすが。

 

「そうなのよ。小学生の頃なんて1か月前からプレゼントを要求してきてさ」

 

 珠姫が呆れながら話す。

 

「タマちゃん!?その話はもういいじゃん!!」

 

 慌てて誤魔化そうとする詠深であったが、そんな詠深をみんな可笑しそうに笑た。

 

 

 

 

 

 

 

 場所をカラオケに変わる。テーブルには注文したパーティメニューが所狭しと並んでいた。

 

「それでは、新越の初勝利と、詠深の誕生日を祝して」

「かんぱーい」

『かんぱーい』

 

 一同が改めて詠深にお祝いの言葉を送ると、詠深は感極まり再び涙をこぼす。そんな詠深に珠姫は呆れる様な、しかし優し気な視線を向けていた。

 

 それからみんな曲を入れ始める。川口姉妹がデュエットで歌うと、2年生組2人も一緒に歌った。恥ずかしそうに歌う怜に正美が“キャプテン可愛ー”と茶化すと、怜は恨めしそうに正美を睨む。

 

 食事にもどんどん手をつけられていった。幸せそうにケーキを食べる詠深に、ナイフとフォークでピザを食べるイタリアンスタイルの白菊。

 

 怜と理沙がマイクを置くと、今度は正美が立ち上がる。

 

「それでは三輪正美、歌わせていただきます!」

 

 その宣言の後に、10年ほど前に流行ったメロディが流れ始めた。

 

『笑顔咲くー????????????愛し合うー?????????????さくらんぼー』


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