第三話
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隣の悟飯くんも叫んでいた。
「きゃあああ…」
あ…
子供の頃から一緒だったビーデルがスポポビッチに頭を踏みつけられるのを見てわたしの中で何かが煮えたぎる。
「超サイヤ人…だと?」
金色に染まったモンテの周りにスパークが散っている。
「モンテさん、その姿は?」
ベジータの呟きと悟飯の問いかけを無視したわたしは夢中になって武舞台へと翔ける。
そこには今まさにその巨体でビーデルを踏み潰そうとしているスポポビッチの姿があった。
武舞台に一迅の風が舞う。
「なんだ?」
踏み潰さんと繰り出されたその足を右腕一本で受け止めビーデルを抱き起しているのはモンテだ。
「なんだオメェ、邪魔するのかっ?」
それを無視してわたしはビーデルの向き直った。
「ごめんね、お姉ちゃん…我慢出来なかった」
「なっ…潰れねぇ…」
ギリギリと力を掛けてくるスポポビッチだが、超サイヤ人状態のわたしにその程度は効かない。
「ぐあっ!?」
そのまま無造作に振り払うとスポポビッチは場外へと吹き飛ばされ壁に激突してようやく止まった。
「モンテ、その姿は?」
「今は医療室、行こう?」
「私、負けちゃったのね」
「ごめんね」
「何でモンテが泣いてるの?ぐふっ…泣きたいのは…私の方なのにモンテが泣いてたら泣けないじゃない」
涙を涙腺に溜めながら必死に零すまいとしているビーデルを抱きかかえると武舞台を降りて医務室へと駆けこむ。
『ビーデル選手、反則により…勝者はスポポビッチ選手です』
ウォオオオオオオオオオ
歓声とも怒声とも聞こえる声を背にモンテは走って行った。
医務室に駆け込んでベッドにビーデルを寝かせると、意識は朦朧としつつもしっかりしているようだった。
「ビーデルさんっ!」
次に駆け込んできたのは悟飯くん。
「悟飯くん…あいつを…やっつけて」
「二回戦に勝ち上がったら絶対に勝ちます、それよりもこれを」
「何…?それ」
「こ、これを食べてください」
仙豆ですね。
「こら君、おやつを食べている場合では…」
医務室の担当医が悟飯を制止するが…
「わたし、もらうわ…」
悟飯くんの事だからきっと不思議な事が起こるのでしょう?とビーデル。
まぁ、仙豆ですしね。
「うん…」
神妙な顔つきで仙豆を食べさせた悟飯くんは次の試合が有るからと医務室を出て行った。
「な、治ってるーっ!」
シャキーンとベッドの上に立ち上がるビーデル。
「戦闘力が上がっているな」
「だ、誰?」
振り返るといつの間にか壁にもたれ掛かるように立っているベジータさんが居た。
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