陰影ミステリアス
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散らしながら落下してくるエレベーターを目の当たりにした。
「ほらぁあああああああ!!!!!!!」
「うそぉおおおおおおお!!!!!!!」
たまらず絶叫を上げる彼女達は間に合わないと察しつつも、はしごを必死に降りる。一方、事態を冷静に把握したケイオスは逆に上へ跳躍、降りてくる彼女達の腰をそれぞれの腕で抱えこみ――、
「落ちるよ」
「「えッ!? きゃぁあああああ!!!!!!!」」
重力に従って落下した。さっきまで掴まってたはしごが凄まじい勢いで上へ流れていく光景に落下速度を実感しつつ、圧死か落下死という二重の命の危機に悲鳴と涙が止まらないセインとディエチ。上には頭一つ分の隙間を開けてほぼ同じ速度で落下してくるエレベーター、下には暗闇の中でわずかに見えつつある金属製の床。そして、側面にぽっかり空いた謎の通路。
「(見つけた。タイミングはゼロ秒コンマかつ、こいつらが怪我しない適切な力加減)」
「あぁ、ドクター、皆。また会えそうだったのに、先立つ私を許して……」
「も〜ダメ! 死んだ! コレ絶対死んだよぉ〜!」
「…………よっと!」
今にも辞世の句を読み上げそうな二人の様子なぞ全く気にせず、ケイオスは謎の通路に向けて二人をぶん投げた。エレベーターに接触せずに通路へ全身が入る速度で、かつ落下の打撃を耐えられる程度に力加減を考えて投げられた二人は、摩擦でナンバーズスーツから多少の火花が発生するも、彼の意図した通りに無傷で生還することができた。
どごぉおおおおんっ!!!
直後、エレベーターがケイオスごと最下層に落下する轟音が響き、セインとディエチは自分達が助かったことを一拍置いて理解し、そして身を挺して助けてくれた代わりに下敷きになったケイオスのことに気づき、慌てて駆け寄った。
「け、ケイオス!? 返事して、ケイオス!?」
「うわぁああ!? 大丈夫!? 生きてる!?」
緊急事態の連続に動揺しながら仲間を必死に探し求める彼女達。だが、動揺はすぐに収まった。
ぐしゃぐしゃに壊れたエレベーター、床だった部分の中心で……ケイオスの首から上だけが飛び出ていた。その光景は傍から見て床にはまって動けなくなったようでどことなく間抜けな雰囲気があり、助けられた身であるにも関わらず、ディエチとセインはつい吹き出しそうになってそっぽを向いた。
「ん、良いご身分だね」
「ご、ごめん……! ちゃ、ちゃんと、感謝してるよ……! うん、してるんだけど……ふふっ、本当にごめん!」
「しょうがないだろ〜! まるでバラエティの落とし穴に落ちたみたいなんだしさ〜!」
「かかった力の方向は上下逆だけど。そこで待ってて、今出るから」
ぎぎぎぎぎ……!
力づくでエレベーターの床をこ
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