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おっちょこちょいのかよちゃん
66 前夜祭にて
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トと肉屋で鶏肉を仕入れた後、学校に戻って調理を始めた。焼き鳥は串刺しして焼いて、タレあるいは塩を振りかければいいが、唐揚げは揚げる為、油が跳ねて大変である。三河口は唐揚げの方をやっていた。
「よし、上手く揚がった」
 唐揚げを5個ほど紙コップに入れて、販売する。味付けはプレーン、塩、マヨネーズ、ケチャップ、レモン汁の5種類、そして焼き鳥の方は1本を紙コップに入れて、味付けは塩かタレの2種類である。
 この文化祭の前夜祭は一般公開はせず、生徒、教員に対してのみ販売を行う。隣のクラスの男子二名が買いに来た。片方は焼き鳥を、もう一人は唐揚げを買った。
「お、どっちもうめえ!」
 二人の感想は売る側・作る側には安堵でよかったと思えるものだった。
「よし、この調子で売るか!」
 皆は唐揚げと焼き鳥を売り続けた。

 かよ子は藤木の所に行く。
「藤木君」
「ああ、山田か」
「よかったね、笹山さんの熱、下がって」
「あ、うん。僕もホッとしたよ」
「ついでに折角だから、明日思い切って笹山さんに告白してみたらどうかな?」
「え、ええ!?そ、そんな、無理だよ」
「大丈夫だよ。笹山さんも藤木君を嫌ってるように見えないし、上手く言うよ」
「う・・・、うん」
「じゃ、頑張ってね。また明日、文化祭で会おうね」
 かよ子は藤木の元を離れると今、なぜ自分が藤木の恋を応援しているのか気になった。

「あの、三河口君」
「え?」
 三河口は真希から呼ばれた。
「少し休んでいいよ。皆休んだし」
「え、あ、そうか。ありがとう」
 気づけば四時間。三河口は休まずぶっ通しで唐揚げを揚げ続けていたのだった。三河口は料理の手を他の者に任せて周りを歩いた。
(はて、何を買おうか・・・)
 三河口は兎に角、三年生のあるクラスの焼きそば、そして二年生の他のクラスが販売しているフライドポテトを買って飲食用に設置されたテーブルと椅子に座って食べた。
(今の所は特に何も起きてない・・・。か)
 三河口は今は異世界の敵や日本赤軍が近づいた時に起きる胸騒ぎがしていない事を確認してまた店に戻って仕事に戻った。屋台にいた濃藤が三河口が戻って来たのを見た。
「あれ、ミカワ、もう休んだのか?」
「うん、もう十分だよ」
 三河口は調理を再開した。

 かよ子は下校しながら考える。
(藤木君もやっぱり私と似てる・・・。好きな人がいるけど、なかなか好きって言えない事・・・。私も杉山君には自分から好きって言えなかった・・・)
 かよ子は自分と藤木は似た者同士だと改めて感じるのであった。
「あら、山田さあん」
「ふ、冬田さん!?」
 冬田がいつの間にかいた。
「明日は楽しみねえ」
「あ、うん、そうだね」
「大野君と一緒に文化祭を楽しめるなんて私幸せだわあ
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