66 前夜祭にて
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文化祭の前日になった。かよ子は学校を出ると共に明日が楽しみだった。
(早く明日にならないかな・・・?)
かよ子は途中、杉山と出くわした。
「あ、す、杉山君・・・」
「おう、山田あ!」
「おはよう・・・。あ、あの・・・」
「何だよ?」
「明日の文化祭、楽しみにだね」
「おう、皆で周ろうな!」
「うん!!」
そしてかよ子と杉山は途中、笹山と合流した。熱が下がったのか。かよ子は笹山の元へ向かう。
「あ、笹山さん・・・!!」
「あ、山田さん、杉山君。おはよう」
「熱下がったんだね」
「うん、昨日の夕方にやっと下がったの。文化祭には行けるわ」
「よかった・・・!実はね、藤木君が凄い心配してたんだよ」
「え?藤木君が?」
「うん、笹山さんと一緒に行けなくなったらどうしようってね」
「そうなんだ。私の事を・・・」
笹山はなぜ藤木がそんなに自分と行きたがっているのか気になった。
「山田、どうして藤木がそんなに心配してたんだ?」
「さあ、その・・・」
かよ子は真の理由を笹山の前で言うのは控える事にした。
三河口はこの日は前夜祭の影響でいつもより1時間ほど早く登校していた。かなり早めの登校でクラスメイトの真希と校門で出会った。
「あ、おはよう、三河口君」
「ああ、真希ちゃん」
「やる気いっぱいだね。頑張ろうね」
「うん」
そして濃藤が入ってきた。
「お、ミカワ、神戸さん。早いな」
「濃藤、お前もやる気満々か」
学校に次々とクラスメイトが集まった。
「それじゃ、食材を持ってくるよ」
三河口達食材の調達班は商店街の肉屋へ鶏肉を貰いに行った。
かよ子は学校に着くとまる子にたまえと話していた。
「笹山さんも文化祭に行けそうでよかったよね」
「うん、藤木君もきっと安心してるよ」
「ああ、ちょっとお〜」
まる子が指をさす。その方向には笹山が藤木の机に向かっているところだった。
「笹山さんが藤木の所に行ってるよお〜」
かよ子もたまえもその藤木と笹山の方角を見た。
「藤木君、私の事、心配してたのね。ありがとう」
「いやあ・・・」
藤木は照れていた。大野と杉山も藤木の席と近いので、その様子をすぐ聞いていた。
(そうか、藤木の奴・・・)
杉山もすぐに理解した。
「藤木も案外幸せものだねえ〜、もし笹山さんの熱が下がらなきゃきっと文化祭に行くのやめてたよお〜」
「うん、そうだね」
かよ子はこの時、自分と藤木の立場を入れ替えて仮定した。
(もし、私も杉山君がなんかあって来れなくなったらきっと藤木君みたいに落ち込むかもしれないかな・・・)
好きな人が約束した場所に来れなくなるとそのショックも大きくなるのは誰でも同じではないかと同時に思った。
三河口はクラスメイ
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