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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第45話:隠れ家を探せ
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いって!? 特定するのはこれから、クラーケンに上手くウィズの隠れ家から逃げ出してもらわないと」

 説明しながら颯人はイエロークラーケンに指示を出し、ウィズの隠れ家の部屋から脱出させようとした。イエロークラーケンは背を向けたウィズに気付かれないように慎重に動き、ドアの郵便受けに向けて移動する。あそこからなら、イエロークラーケンもギリギリ出られるだろう。

 イエロークラーケンは一度振り返り、ウィズがまだ気付いていない事を確認すると一気にドアに近付き郵便受けを開け、投入口から外へ出ようとした。

 その瞬間、一気に視点が動きウィズの顔がドアップで映し出された。

「げっ!?」
『全く、油断も隙も無い奴だな。悪戯小僧め』

 ウィズがそう言った次の瞬間、カードが何の景色も映さなくなる。ウィズが無理矢理イエロークラーケンの指輪を引き抜いたのだ。指輪が無ければ、使い魔はその姿を保てない。

 颯人がやられた……と顔を手で覆って天を仰ぐと、額に何かがこつんと当たり床に落ちる。

「あ痛っ!?」

 何事かと床を見ると、そこにはイエロークラーケンの指輪が落ちている。慌てて再び上を見上げれば、そこにはウィズが魔法を使う時に出る魔法陣があり、次の瞬間消えてしまった。

 消える魔法陣を見て、颯人は悔しそうに顔を歪め呻き声を上げた。

「う〜〜、くぅぅぅ!?…………はぁ」

 悔し気に呻く颯人だったが、ここで感情に任せて地団太を踏むのは奏達の目もあってみっともないと考えたのか、何とか感情を抑え込み諸々の感情は溜め息と共に吐き出した。

 そんな彼にこれからどうするのか訊ねる奏。

「どうするんだよ、颯人?」
「どう……すっかなぁ」
「おいおい、さっきあれだけ大口叩いといてもうお終いか?」
「か、奏! そんな言い方は……」

 傷口に塩を塗るかのような奏の物言いに翼が苦言を呈すが、今の颯人には奏の言葉が少しありがたかった。ヘタな慰めよりは、奏の様な厳しい言葉を掛けられた方が気が楽だ。

 そんな3人の様子を見ていた弦十郎がふと響を見ると、彼女は何か考え事をしているかのように俯いていた。

「響君? どうかしたのか?」
「あ、いえ。その……」

 弦十郎に声を掛けられて弾かれたように顔を上げた響。実は先程、颯人にウィズの隠れ家の様子を見せてもらった時彼女はクリスが居た事とは別に気になる事があったのだ。

「さっきウィズさんの隠れ家を見せてもらった時、ちょっとだけですけどリディアンが見えたような気がして……」

 響が少し自信なさげに告げると、それを間近で聞いた弦十郎だけでなく颯人達も驚愕に目を見開きながら響に目を向ける。
 響の言葉に弦十郎が更に詳しく内容を訊ねようとするよりも早くに、颯人達が
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