第四部
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うことが出来る。
しかしそれも魔晄が尽きるまで。
激しい複数の外装召喚を行う【特質型】であることに加え、物量攻撃を得意とし、効果は大きいが異能も常時発動に近いものばかり。
魔晄の消費を考えると早いところで勝負を決めたいというのがクリスの本音。
おまけに翔が使う紫電孤虐の電撃は、100%ではないがクリスの流体ボディにも効く。
「一気に行きますか」
クリスは液状化した体を一気に広げ、そこから大量に触手のようなものを伸ばし、それらを尖らせてから固体にする。
武台の半分を覆う黒い沼と刃の波。
「勝負に出たか。なら此方も」
翔が超能力【超人加速】でこれまでとは比較にならない爆発的な加速を見せ、超能力の【盛者必衰/ウィフォール】で間合いを調整しながら互いのステータスを増幅・減衰していく。
「俺と彼奴のラッシュ。どちらが上かな」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
クリスは変形させた体から生やした硬質の液状ブレードを重ねて波のようにする。
押し寄せた刃の波に、翔は幾つもの残像を出しながら殴り砕き、吹き飛ばす。
優勢なのは翔。
クリスの攻めと再生より、翔が攻めて押し返す方が有利に進んでいる。
しかしこれは計算の内。
こうなることは判っていた。
クリスの思い通りだ。
彼女のやろうとしていることは、彼女の近くに居るほどやり易いのだから。
そして黒い泥の波を跳ね飛ばしてきた翔が十分な位置までクリスに近付く。
(これで止めよ)
泥の魔王が反応すると、翔がいきなり自分の胸を押さえて膝を着いた。
口からは血が零れる。
「泥の魔王の能力は自分の体を固体や液体だけじゃなく、『気体』にも出来るのよ。本当はまだ隠しておきたかったんだけどね……」
「……気体、に変えた体を……俺の体内に入れ、それを……ブレード、に……したのか」
「でも思ったより平気みたい。もしかして体内に魔晄防壁を張ったの?」
翔は膝を着いたままの状態から急にクリスの足を掴んで捕らえる。
彼女は液体になっており、手で掴むようなことは出来ない筈なのに。
「魔晄神氣・【深遠玄士】、魔晄極致/サードブレイク・【破魔砕星】、使うのが間に合って良かったよ」
「え?」
クリスの能力が使えなくなった直後、跳ね起きた翔の一撃が意識を刈り取った。
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