暁 〜小説投稿サイト〜
曇天に哭く修羅
第四部
Aブロック 3
[1/2]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
橘花 翔(たちばなしょう)》が外装を解放する。


()(にじ)れ。【ギルミルキル】」


赤いスポーツシューズが変化して西洋鎧のパーツに見える、脛当(すねあて)の[グリープ]と靴の[サバトン]と化す。

色は相変わらず『赤』だ。


「解放したことで身体強化が増した。【魔晄機能/ゼロブレイク】も『超速移動』が追加されたから覚悟してもらうぞ」


翔が対抗手段として選んだのは特攻。

彼の防御なら暫くは《クリス・ネバーエンド》の攻撃を受け続けても問題ないので大丈夫な間に終わらせようというつもりらしい。

翔は【抑封規制(ストイック)】による強制停止を破るとクリスの人形から放たれる銃弾の雨を食らいながら彼女にストレートパンチ。

しかし思わぬ事態。


「馬、鹿な……!」


クリスは自分の胸に沈み、背中から突き抜けている翔の腕を掴みながら彼に伝える。


魔晄極致(サードブレイク)・【泥の魔王(ボルボロス)】」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


クリスの体が輪郭(りんかく)を失いながら、曖昧な形となって流動していく


(ネバーエンドは魔術師として一つの到達点に辿り着いたというのか。一度ならず二度までも、俺が読んだ先を行くとはな……!)


翔は頭の中から紫闇と春斗を消す。意識をクリスへと集中させる。でなければ勝てない。翔はクリスをそれほどの相手と判断した。


(問題はどう攻撃を当てるかだが)


今やクリスは人の形を成していない。

黒い泥で出来たスライムのよう。

その体が伸びて翔へと襲い掛かり、躱したところを外装の火器と絶対不可避ノ領域によるコンボで罠に嵌めるようにして攻める。


「あの泥の魔王とかいう異能で変えた体もミサイルやビーム程じゃないが、そこそこ攻撃力が有る。しかも流動性だけじゃなく粘着性まで有るから下手に近付くと捕獲されかねない」


どれだけ打撃を加えても、油を含んだヘドロのような滑らかさで受け流すクリスの体にはどんな攻撃が通じるのだろうか。


「異能を使うか。【紫電孤虐(しでんこぎゃく)】」


翔が紫電を纏いステータスを向上。

敵が触れれば感電する。


(水や空気も速く動けば手応えが出る。もっと速く、もっと鋭く攻撃しよう)


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


クリスは押されていた。


(ショウの奴、一体どこまでパワーとスピードが上がるのよ……。勢いだけで私の液状化した体を切り裂いただけでなく、風圧と衝撃で吹っ飛ばしてくるだなんて……!)


クリスの体はバラバラになっても千切れた破片が集まって元に戻るし破片が残らないほど消されても、増殖で補
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ