第8章:拓かれる可能性
第257話「戦いを前に」
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決定打にはならないんだよね……」
「これは……なるほど、一手足りないのね」
「うん」
司にしても、奏にしても、どう対策すればいいのかは分かっているのだ。
だけど、決定打が足りず“手段”にならない。
「……奏の方はともかく、司は系統が違い過ぎて司自身が閃かない限り突破法が思いつかないわね……」
「……あ、そうだ司さん。祈梨さんには相談しなかったの?」
「祈梨さん?……あ、そっか、同じ天巫女なら……」
同じ天巫女兼、神界の神である祈梨。
彼女に聞けば何かアイデアの一つでもあるかもしれない。
「ちょっと、聞きに行ってくるね!」
「ええ。行ってらっしゃい」
「じゃあ、奏ちゃんは奏ちゃんで考えないとね」
司は立ち上がり、祈梨のいる場所へ向かっていった。
残った面々は、奏の弱点克服のため、もうしばらく話し合う事になった。
「祈梨さん」
「司さん、どうかしましたか?」
程なくして司は祈梨を見つけ、早速尋ねていた。
「―――それで、祈梨さんなら何か対策があるのかなって……」
「なるほど……確かに、そういった手合いの神は、私にとっても天敵です」
祈梨も基本的には司と変わらない。
同じ神を相手にすれば、悉く天巫女の力を阻止されるだろう。
「ですが、妨害に関する“性質”よりはマシと考えられます。“早い性質”であれば、その本質は飽くまで先手を取るだけ。……妨害が本質ではありません」
「先手を取られた上で、力を行使すれば……?」
「はい。対策自体は、それだけで十分です」
要は、先手を取られて攻撃されても“祈り”を止めなければいい。
完全なゴリ押しではあるが、“意志”一つで出来る事だ。
単純だからこそ思いつかなかったが、確かな対策だ。
「しかし、一つ問題が」
「え……?」
「先程も言った通り、先手を取る手合いならばいいですが、弱点を突いて来るのであれば、確実に妨害に関する“性質”の神も来るかと」
「それは……確かに」
前回はまだ弱点を突いてきたにしては緩いと祈梨は言う。
天巫女の力を封じるには、先手を取るよりも妨害する方が効果的だ。
先手を取るだけでも妨害になるが、やはり本質が妨害である方が強い。
そして、その“性質”で来られればそれこそ司の天敵となる。
「前回の場合は、攻撃に怯んだ事で妨害を受けていたようですが……妨害に関する“性質”だと話が変わります」
「……問答無用で、天巫女の力の発動が“妨害”さられる」
「はい」
実際は天巫女の力だけでなく、あらゆる攻撃が妨害されるだろう。
それがどれほど厄介なのか、司は口にせずとも理解出来た
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