第8章:拓かれる可能性
第257話「戦いを前に」
[6/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
も出来るようになっていた。
「それで、悩んでいる事は……あぁ、貴女達の弱点を突いて来る神の対策ね」
「そ、そこまで見抜いてるんだ……」
「貴女と奏、そして緋雪。三人共弱点を突かれて負けたんだもの。考えれば共通点から大体は予測がつくわよ」
「確かに……」
いくら“意志”を強く保っても弱点を突かれる事に変わりはない。
何かしら対策を練るか、開き直るかしなければ確実に“意志”を折られてしまう。
それを避けるために司達は考えていたのだ。
「緋雪ちゃんはもう克服したんだけど、私と奏ちゃんはね……」
「緋雪の場合は……あぁ、狂気ね。確かに、優輝を助ける時に完全に克服していたものね。……狂気を生み出すそもそもの恐怖心を克服したのよね?確か」
「うん。そうだよ」
返答したのは件の緋雪だ。
飲み物もちゃんと取ってきており、司と奏に渡す。
「二人はいいの?」
「私達はいいわ」
「そっか」
緋雪も座り、五人で一つのテーブルを囲む形になる。
「確か、司が負けたのは祈りの力を阻止してくる程に行動が“早い”神だったわね」
「奏ちゃんは攻撃を確実に“防ぐ”神で……」
「私は“狂気”だね。今は狂気を持っていないから、まともに戦えるけど」
司の場合は、攻撃までの僅かなタイムラグ。
奏はその攻撃の軽さを。
それぞれ弱点を突かれ、敗北していた。
「奏ちゃんは、一応対策があるんだけど……」
「……その場合は、分身も盾にされた」
奏は“溜め”さえあれば強力な攻撃が放てる。
しかし、その時間稼ぎに分身を使わなければならず、なしでは阻止される。
そして、例え放ててもその時は分身を使われて、防がれてしまう。
「どちらも“どこをどうすればいいか”までは分かっているんだよね」
「でも、その肝心の手段が思いつかないって訳ね……」
司の場合は祈りの力を使うタイムラグを無くす、またはそれ以外の攻撃手段。
奏の場合は敵の防御を貫通しうる且つ、分身の時間稼ぎを必要としない技。
対策の術自体は既に思いついているのだ。
だが、それらを実現するための手段が足りない。
「奏はまだ現実的に何とか出来そうだけど……」
「司ちゃんは、別の攻撃手段はともかくタイムラグを無くすっていうのは難しいね。元々、天巫女の力は“祈り”のプロセスが必要なんだし」
そう、いくら司が“祈り”を早く使っても確実に攻撃までタイムラグがある。
“祈り”という行動を挟む以上、どうしても遅くなるのだ。
そして、どれだけ攻撃までの時間を短くしても、手順として存在する以上、弱点を突いてきたその神は割り込んでくる。
「普通の魔法とかを使うにしても、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ