第8章:拓かれる可能性
第257話「戦いを前に」
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無造作に技を放てるように、発動までの過程がごく自然なものになっていた。
魔力変換資質を持つフェイトに至っては、まるで電気そのものを我が物にしたように操れるようになっている程だ。
「だから、そんな気負わなくていいわ。……貴女達なら、きっと勝てるもの」
「……そうだよ」
椿の言葉に同意するように、なのはが言葉を発する。
「理屈なんて、もう関係ない。……勝つんだよ、皆で」
「……そうね。なのはの言う通りだわ」
なのはに続けるように、アリサがそう言って笑みを浮かべる。
「所詮、相手は神の如き力を持つだけで、無敵ではないのよ。だったら、勝ち目はある。あたし達はそれをモノにすればいいのよ」
「………」
理屈関係なく、“ただ勝つ”。
無茶苦茶な事を言っていると、言った本人も思う程だ。
だが、それでも皆の戦意に火を付けた。
「……もう、何も言わなくても大丈夫そうね」
「じゃあ、あたし達は行くね」
そんな様子を見て、椿と葵は立ち去ろうとする。
「そういえば、二人はどうしてここに?」
「司や奏達を探してたのよ。そうしたら、貴女達がいたって訳」
「単に通りすがったって感じなんだよね。実は」
「そうだったんだ……」
「じゃ、貴女達も休んでおきなさいよ」
そう言って今度こそ二人は立ち去る。
「色んな人に影響を受けたのでしょうけど……本当、強い子達ね」
「環境と……優ちゃんの“性質”のおかげだろうね。もしかしたら、あたし達の影響もあるかもしれないよ?」
「……そ、そう?」
少し後押ししただけだった。
それだけでなのは達がもう手出しの必要がない程にその強い精神性を見せた。
その事に、椿と葵は感心していた。
「……ここね」
そんな事を話している内に、司と奏がいる部屋に二人は入る。
「椿ちゃんと葵ちゃん?」
「その様子だと、しっかり体は休めているようね。でも、同時に考え事で悩んでいる……とも見えるわね」
「あはは……見抜かれてたんだ」
「これでも神の端くれよ」
「あたしも、結構長生きしてるしね」
そう言って、椿と葵も司の近くに座る。
見れば、司の他にも奏がいた。
「司と奏の二人だけかしら?」
「ううん、緋雪ちゃんも一緒だよ。今は飲み物を取りに行ってるんだ」
「飲み物も創造したのね優輝は……」
「なんでもありになったよねー」
元々創造魔法は魔力と創造する物の構造さえしっかりとしていれば何でも創れた。
それでも、構造が複雑な物は時間も魔力も掛かっていたのだ。
だが、今ではこうして建物丸ごと創造という事
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