第8章:拓かれる可能性
第257話「戦いを前に」
[3/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
んはどうやった?」
「私が行った時にちょうど目を覚ましたよ。特に不調もないみたいだし、もう大丈夫そうだったよ」
向かった一室では、フェイトやはやて、アリシアなどいつもの面子がいた。
はやてが開口一番に母親である桃子の事を聞いてきたので、もう大丈夫だとなのはは心配させないように返答する。
「ほな、一応シャマルを向かわせておくわ」
「ありがとう。はやてちゃん」
「構わへんよこれくらい」
軽いやり取りの後、なのは達を真剣な雰囲気が包む。
「……多分、次の戦いで決着がつくわ」
少しの沈黙を挟み、はやてがそう切り出す。
「同感ね。一度目の戦いでは大きな敗北。二度目は戦力を増した上で撃退。……そして、今度はこちらから攻め入る番。結果がどうであれ、決着はつくでしょうね」
「加えて、優輝達曰く私たちが防衛しているだけでも、他の神がイリスを倒すから……うん、本当に最後の戦いだね」
泣いても笑っても、最後となる。
そのため、なのは達の気持ちもより一層引き締まる。
「問題は、今度の戦いは一度目と同じように、敵地に乗り込む事だよ」
「相手の土俵で戦う……不利な状況になるのは当然だよね」
霊術を用いるアリシア達からすれば、相手の土俵で戦う事のまずさが良く分かる。
なのは達も、相手の得意分野で戦う事がまずいのは分かっていた。
「……その事なんだけどね?」
「何かあるの?」
そこで、なのはが思い出したように話を切り出す。
「ルフィナさんからの知識なんだけど……多分、攻め込む際にとんでもない事をして、相手の有利な状況を壊すと思うよ」
「とんでもない事……?」
「……この“世界”を神界にぶつける。……少なくとも、ルフィナさんからもらった知識から考えたら、そうするみたい」
言葉のまま受け取った所で、フェイトやはやてにはピンと来なかった。
「つまり、相手の“領域”にこの世界の“領域”をぶつける事で、“性質”の力を相殺……もしくは、軽減するって事ね」
「椿ちゃん……うん、その通りだよ」
会話に入って来た椿が補足する。
それによって、他の皆も理解出来たようだ。
「確かにその方法なら、相手の陣地ではなくなるでしょうけど……同時に、こちらの陣地でもなくなるわ。完全に対等な立場で相手を倒さないといけない」
「一度目は相手の有利、二度目はこちらの有利。……お互い有利な立場で戦ったからこそ戦力差が良く分かったと思うけど、そうなればどれほど苦しい戦いになるかも分かるよね?」
二度目は本来なのは達の方が有利だったのだ。
その上で、あれ程の苦戦を強いられた。
今度は、そんな有利すらもない状態で戦わないといけない。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ