幕間 安東夫妻のほのぼの☆東洲再建記
第一章安東家中改革
安東家中大改革(上)
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つもりですか。あまり無茶をして放り出されても困りますよ、せっかく人格より能力を見る珍妙なもらい手がゴボォッ!!――」
いつの間にか扇子が鳩尾に突き刺さり悶絶する弟のこめかみに矢立を押し付けながら瑠衣子はため息をついた。
「私だって本当は気楽に旨い汁を吸いたかったのよ。
東洲の海峡から出る蜜は私たちのもの……東海艦隊に食い込めなくても本命の商売を牛耳れば何も問題ない。でも蜜を出すには木を枯れさせてはならない。
この東洲を皇都のすぐ隣にある不破原と同じ気分で切り回されてはたまったものではない。
我々はこの家の仕組みを変えるところから始めないといけない。聞いてるの末美」
「はい、姉上!聴いております姉上!」
「皇都の父上に連絡、財務と商工ができる文官を早く持ってくるように」
「えっでもそれ夏頃に向こうから引き出させる予定では……」
矢立がこめかみにめり込んだ。
「末美」「はい姉上!喜んで行って参ります姉上!」
「それと文官連中にここに来るまでに基礎的な素案をまとめるように、必要なら導術を連れて皇都から見積をとるのも許可します。
末美、貴方が父上を動かして安東公閣下に手回ししなさい」
自由を取り戻した末美は飛び起きると常に尊崇している海良家の偉大なる太陽にして弟の指導者である海良瑠衣子への忠誠を新たにした。
「遵命!大姐!!」「よろしい」
はーっまったく、と舌打ちをしながら瑠衣子は安東家重臣団の知行地と海良家が所有している東州の商業統計を書き込んだ台帳をとりだし、黙考を始めた。
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およそ2月後の安東家評定に瑠衣子は微笑を浮かべ座していた。
彼女が引き連れているのは文官……というよりも皇都の大店勤めのような風貌の男達だ。年長の者でも四十半程度と年若い。
元々皇都にいることが多かった【初代東洲公爵安東家】当主安東明貞が海良の送り込んだ文官達に内治の実権を譲り渡すのにそう時間はかからなかった。
将家の党首とし目加田公と渡り合った猛将であり、五将家体制を構築に貢献した縦横家であったが『太平の富を生む』土地を作り上げるには安東家が代々築き上げてきた当主と家臣団の力関係が悪しき作用を働いていていた。
安東家は不破原と虎城皇龍道域を支配していたことで竜塞に近く、女性が強い家風だったことも実権を夫と共有する事を許したという事もあった。
「工業と鉱山を優先します、農地は放置して駒州公に穀物支援の打診を。護州からは建設事業の誘致を、難民の雇い入れと給与の支払いを確保させてください」
「郊外の農地をつぶして他は工業と商店、造船用の区画に、大戸山地と鉱床沿いの川を水運を優先させて」
「農業は指定した区画にのみ、従うものには当座の仕事と給金、そして就業支援を」
事実上の行政総括と
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