第四部
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クリスは【魔晄ノ神氣】を発動するとバイザー型の外装を召喚。
「【暴虐極メシ妖精群】」
更に赤い人形と青い人形の群れを喚ぶ。
「ファイアッ!」
クリスがGOサインを出すと人形達は抱えていたライフルを構えて一斉に《橘花 翔/たちばなしょう》へと撃ち始めた。
しかしこの程度なら問題ない。
先程まで翔が躱していた光線の方が遥かに速かったし、弾幕も薄く、威力に関しても比較にすらならないだろう。
「よっ」
翔は軽々と回避するが様子がおかしい。
銃弾は軌道を変えて射線上から外れると、回避した翔の居る方へと向かってきた。
(自動追尾の【異能】なのか?)
ならば追い着けぬよう動く。
そしてクリスに攻撃を加える。
翔はスピードを上げて弾丸の群体を振り切ろうとしたのだが、自分の予想していなかった事態に驚いてしまう。
(差が開かない……?)
翔は先程まで【魔晄】による身体強化のみのスピードで魔晄ノ神氣の追尾に対応していたが、今は【音隼】も使って何倍もの速さを出している。
足で千切れるくらいの速度差が翔と弾丸との間には有ったはずだ。
なのに距離が変わらない。
むしろ少しずつ差を詰めている。
「なるほど。こいつが【絶対不可避ノ領域】の有した力というわけか」
追尾するだけではなく、相手のスピードに応じて弾の速度が上がる。
ひょっとしたらクリスの行う攻撃全てに適用されるかもしれない力。
《佐々木青獅》が使っていた【反逆者の灼炎/レッド・リベリオン】は制限時間付きで相手よりも一段階上のパワーとスピードをもたらしていたが、恐らくクリスの異能に時間の制約は無い。
「仕方ない。出すとしようか」
翔の靴が違うものに変化。
赤いスポーツシューズのようだが。
「これが俺の【魔晄外装】だ」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
極一部の限られた【魔術師】は異能を使わずとも外装だけで身体強化を掛けられるので、出すだけでも無駄にはならない。
「取り敢えず、邪魔だから落とすか」
翔のスピードが更に上がる。
彼の外装は例に出された魔晄や異能とは別で身体強化の恩恵を受けられるタイプ。
更に紫闇と同じく【魔晄ノ改造】されたことで得た【魔晄機能】は『高速移動』と『真空波』であり、特に動かなくとも攻撃可能。
翔はそれ等を利用して弾丸を迎撃。
しかし
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