第二百六十八話
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第二百六十八話 遠くから見て
カーミラは夜の神戸の街を散策していった、その中で彼女はふと右手に顔を向けた。するとそこにだった。
海があった、その夜の海を見て使い魔達に言った。
「奇麗なものね」
「はい、夜の海もまた」
「非常に美しいです」
「一度見れば忘れられません」
「それだけのものがあります」
「この海を見ていると」
まさにというのだ。
「百万ドルの価値があるわね」
「左様ですね」
「欧州の海とはまた違いますね」
「夜にもこうした海が見られるとは」
「思いも寄りませんでした」
「全く以てね、日本に来てよかったことは多いけれど」
その中でもというのだ。
「この海のことは別格よ」
「全く以てそうですね」
「これだけ美しいものが見られるとは」
「街並だけではなくです」
「海もとは」
「素晴らしいわ、そして」
ここでだ、カーミラは。
妖艶な笑みを浮かべた、そのうえで言った。
「お空もいいわね」
「左様ですね」
「夜空もまた素晴らしいですね」
「日本の夜空には独特の美しさがあります」
「非常に素晴らしいものが」
「ええ、だからね」
それ故にというのだ。
「ここはね」
「我々も、ですね」
「海だけでなく夜空も見て」
「そうしてですね」
「楽しむのですね」
「そうしましょう、決めたわ」
こうも言うのだった。
「今夜は海と夜空を見てくわ」
「このままですね」
「そうしていきますね」
「気の赴くままそうされて」
「そして満足されれば」
「お屋敷に帰って」
そのうえでというのだ。
「お酒を楽しむわ」
「赤ワインですね」
「そちらですね」
「そちらを楽しまれますね」
「喜んでね」
笑顔でこう言ってだった、カーミラは夜の海だけでなく夜空も見た。そのうえで散歩を続けていった。
第二百六十八話 完
2020・6・3
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