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ドリトル先生の野球
第九幕その六

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「僕は報道番組は観られないよ」
「日本のそれは」
「観ていて得られるべきものを得られないから」
「だからだね」
「それでだね」
「野球でも関東だと酷いからね」
 テレビの実況はというのです。
「本当に」
「ああ、巨人偏向だね」
「向こうは今でも巨人贔屓の実況なんだ」
「そうしてるんだ」
「そうなんだ、それでね」
 さらにというのです。
「僕は出張で関東に行くと野球もテレビでは観ないよ」
「巨人に偏ってるから」
「だからだね」
「それでだね」
「もうね」
 それこそというのです。
「巨人が完全に正義みたいな実況はよくないよ」
「関西それはないからね」
「阪神よりも報道でもね」
「それでもね」
「まずね」
「そこまで酷くないから」
「そういえば」
 ここで先生はあることに気付きました、その気付いたことはといいますと。
「テレビ局は関西で放送してるのに東京のお店ばかり紹介するね」
「ああ、してるね」
「実際にね」
「神戸にいるのに東京のこと紹介されても」
「そうそう行くこと出来ないのに」
「やたら東京のお店紹介されるけれど」
「意味ないよ」
 皆もこう言います。
「神戸にいたら神戸のこと知りたいよ」
「神戸のお店をね」
「大阪や京都でもいいけれど」
「奈良や岡山でもね」
「そうしたところなら」
「それがだよ」
 関西でも放送しているのにというのです。
「東京のお店ばかり紹介するから」
「おかしいよね」
「その時点で」
「もうね」
「日本のマスコミはどうかしてるよ」
「本当にね」
「日本の大手マスコミは本社が東京に集中していてね」
 それでというのです。
「その大手マスコミこそがお金も情報も独占していたから」
「だからなんだ」
「権力も持っていて」
「それでだね」
「東京のことばかりなんだ」
「特にテレビはね、だから全国に放送している番組でも」
 それでもというのです。
「東京のお店ばかりなんだ、取材も楽だしね」
「後半が大事だね」
「取材が楽だっていうのが」
「そのことが」
「そう、地方に行かなくていいからね」
 東京を出て、です。
「それで出来るからだよ、だから毎朝やってる面白いとは言えない番組も」
「ああ、どのテレビ局でもあるね」
「そうした番組ね」
「朝にいつも流していて」
「全然面白くないんだよね」
「関西で観ても」
「一体何考えてるのかな」
 皆もそこがわかりませんでした。
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