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【完結】猫娘と化した緑谷出久
猫娘と最終章:さらに向こうへ
NO.112 引き継がれる思い【最終話】
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くらいである。
それを一番痛感しているのが、被害者でありながらももしかしたら全員を巻き込む事になっていたかもしれない出久本人であった。
それでまたしても恐怖からか出久の体がガタガタと震えだしていて、隣にいたお茶子がすぐに気づいて支えてあげた程くらいだ。

「緑谷……お前に罪を問うつもりはないから話はしゃんと聞いていろ」
「は、い……」

相澤の出久をいたわる言葉があったとしても、それでも出久は深刻そうな顔をして顔色が青くなっていた。

「話は戻すが、オールマイトの引退によってしばらくは混乱が続く……ヴィラン連合の出方が読めない以上、いま雄英から人を追い出すわけにはいかない。
行った六人はもちろん、把握しながらも止められなかった残りの奴らも理由はどうあれ俺達の信頼を裏切った事には変わりない。
だからな、正規の手続きを踏んで正規の活躍をして、これからの信頼を取り戻してくれるとありがたい」

そこまで言い切ると相澤は「以上!」と言って一同に背を向けながらも、「さっ!中に入るぞ。元気に行こう!」とすでに一人だけ気持ちはとうの昔に切り替えていた。
だが、生徒達はそう簡単には気持ちを切り替えるのは無理であった。

「みんな……僕の為に」

出久がなにかを言いかけたその時だった。

「おい、出久! シャキ!としろや!」

出久の言葉を遮って爆豪が出久の両頬をバンと叩いていた。

「か、かっちゃん……?」
「ちょ、爆豪君。デクちゃんはいま……」
「うな事はわかってんだよ麗日! みんなもよく聞け! 確かにさっき先生が言った事で俺達の件は不利になる材料がいっぱいだ。だがな! 俺は……俺達は少なくともあの時出久のことを助けに行ったことは後悔してねぇ!
だからよ! 気にすんなって言っても気休めにしかならねぇけどよ。てめぇらももう過去の事は過去にしてこれからを考えていけよ!!」
「爆豪……」
「爆豪、おめぇ……」

そんな、口は悪くとも前よりかは印象はかなりマシになった爆豪の言葉によって先ほどまでの重苦しい空気は少しずつ緩和していった。

「そして出久。てめぇもだ! いつまでもうじうじしてねぇで見返してやるくらいの気概を見せろ!」
「かっちゃん……うん!」
「それでいいんだよ。てめぇらもわかったな!?」

爆豪の言葉に、「そうだな……」「さすがは爆豪君だ!」「良いこと言った爆豪!」「てめ!爆豪! いつから緑谷の事を名前呼びになってんだよ!?」などなど先ほどまでの空気は爆豪のおかげで払拭されていった。

それを先を進む相澤は聞き耳立てながらも、

「(爆豪……成長したな。茶番役を買ってくれてありがとな……)」

と、入学当時からは信じられないくらいの爆豪の行動に感謝をしていた。






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