猫娘と最終章:さらに向こうへ
NO.112 引き継がれる思い【最終話】
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…………そして出久達は新たな日常を再開するために雄英高校へと集まっていた。
まだ夏休み期間ではあるが、色々とあってこうして全員欠けずに集まれたことは不幸中の中の幸いでもある。
そしてこれから出久達が暮らす事になる寮の前で相澤と対面をしていた。
相澤は全員が注目している中で一度咳込みをしながらも、
「さて……とりあえずではあるが1年A組、無事に集まれてなによりだ」
それでざわめきだす生徒達。
こうして全員集まれたのも生徒達各々が親たちを説得したことが功を奏した結果である。
引子と同じく雄英にこれからも通わせていいものかという親が半数以上はいたのだから今回の襲撃事件も含めて雄英高校に対する疑心は多いに越したことはないだろう。
それでも全員集まれたのだ。
それだけでもちょっとした奇跡と言っても過言ではない。
そんな中で梅雨が相澤に心配の声を掛けた。
やはり多くの人達が相澤の教師権限をはく奪されてしまうのではないかと不安だったのだろう。
「まぁな。俺もそうなると思っていたが……色々とあったんでこうして無事で行けてるわけさ」
それはヒーロー世界のいざこざの結果でもあるが、いまだに内通者が割れていないために下手にやめられても後が怖いというのもあった。
「まぁ、いい。とりあえずは寮について説明をしたいところだが、まずはこれからについてだ」
『これから……?』
それで全員が首を傾げる。
「襲撃事件についてで手ぶら状態であったが、今後は合宿での方針である『仮免取得』に向けて動いていく」
仮免取得という単語が相澤から出てくると、そうだった!という反応を示す生徒達が大多数であった。
それでまた騒ぎ出しそうになったところで、
「大事な話だ。いいか…………爆豪、飯田、轟、切島、八百万、麗日……今言った六名があの晩あの場所へ緑谷救出に赴いた」
瞬間、誰が発したか分からないくらいの小さい声で「えっ……」という台詞が全員に浸透するように響いた。
その、一瞬にして場が冷え込んだのを相澤は見越してか知らずか続けて言葉を発する。
「その様子だとだいたいは把握していたようだな。色々と棚上げした上で言わせてもらう。オールマイトの引退という騒ぎがなければ……俺は迷わずに緑谷・耳郎・葉隠以外の全員を除籍処分にしていただろう」
「「「っ!!」」」
それで重苦しい空気が全員に圧し掛かる。
合理的主義者である相澤がそう言ったのだ。
それはまさしくオールマイトという平和の象徴がまだ現役のままだったならこの場にいるほとんどが雄英高校から姿を消していたことになる。
決してオールマイトの引退が良かった悪かったとは言えないが、結果的には全員はあらゆる意味でオールマイトに救われたという形に捉えてもいいという
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