その13
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収穫してきた籠の中には、結構立派なかぼちゃが一つ。
ヒナタの好物はぜんざいです。
そしてかぼちゃって、甘く煮付けて食べると美味しいですよね。
つまり、甘味に向いている。
作ったことはないので、かなり冒険になるとは思いますけれど。
「ねえ、ヒナタ。かぼちゃでぜんざい作ったら美味しいと思う?」
私の言葉に、ヒナタは雷に打たれたように立ちすくみました。
そして、ビックリするほどの勢いで私に詰め寄ってきました。
「うん!ナルトちゃん!きっと美味しいよ!!かぼちゃのぜんざいって、とってもおいしそうだと思う!!!!」
頬を紅潮させて、きらきらと瞳を輝かせるヒナタはとってもかわいいです。
そして、やっぱりヒナタもそう思うんだ。
自分の思い付きに心が浮き立っていきます。
「じゃあ、作ってみようかな…?」
「本当!?」
私のつぶやきにヒナタが期待の眼差しを向けてきます。
そして私の胸にも、新しい甘い物に対する期待感のようなものが心に浮かんでいきます。
出来上がるだろうかぼちゃぜんざいの味が、口の中に広がります。
白玉粉と小豆もあったはずです。
かぼちゃの風味が残る甘さのとろりとした餡に絡む白玉や、甘く煮付けた小豆の味が口の中に広がり、思わず唾を飲み込みました。
「うちに白玉粉と小豆もあったはずだから、それも入れてみるね」
私の提案を聞いたヒナタが、さらに案を出してきました。
「ね、ねぇ、ナルトちゃん。そこに、生クリームとミントを添えて、シナモンパウダーをかけるとか、どう?」
ヒナタの提案に、今度は私の方が衝撃を受けて立ちすくみました。
かぼちゃプリンに添えられたミントと生クリームは必須です。
彩もさることながら、味的にも。
「ヒナタ天才!それ、きっとおいしいよ!でもさ、ぜんざいは温かくないとおいしくないから、生クリームはきっと溶けちゃうと思うな。あ!そうだ!かぼちゃの餡を作るときに泡立ててない生クリームを混ぜちゃえばいいよ!きっと口当たりが滑らかになると思う!あ、でも、今日、うちに生クリームはないや」
思い付きを口にしながら、思いついた事を試せない事に落胆した私に、ヒナタは提案してきた。
「あ、あのね。ナルトちゃん。それなら、生クリームの代わりに、牛乳だったらどう?きっと、そんなに風味は変わらないと思うの」
ヒナタの言葉に私は天啓を受けたような衝撃を感じました。
そうです。
生クリームは牛乳からできているんです。
牛乳を使った料理に生クリームを代用するのは、コクや風味の上では格上の料理になるのです。
けれど、生クリームのかわりに牛乳を使ったとしても、味的には問題なんかこれっぽっちもありません。
「さっすがヒナタ!それ、いいよ!
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