その13
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ナタはちょっとだけ特別です。
だから少しだけ教えてあげました。
「うん。秘密だよ?」
驚きで、大きめの声をあげたヒナタに、私は声を潜めて笑いかけました。
声を潜めた私に、はっとしたヒナタが慌てて自分の口元を押さえます。
そんなヒナタが微笑ましくなりながら、私は笑顔になりました。
「それより、ヒナタはどうしてここに来たの?私が居ないこと、知ってるはずなのに」
疑問に思った事を問いかけると、途端にヒナタは慌てたように落ち着きを無くしました。
「あの、それは、えっと…」
もじもじとしながら、はっきりしない態度を続けるヒナタを嫌う人は多い。
私だって、ちょっぴり苛立たない訳じゃない。
でも、ヒナタは、とっても優しい気持ちを持ってる素敵な子だって、私は知っている。
「あのね、ナルトちゃんが波の国に出発したって、わたし、今日聞いて」
「うん」
「それで、その。波の国に行くなんて、一週間以上かかる任務でしょう?」
「うん。多分ね」
「だからね、ナルトちゃんの畑、誰も手入れ出来ないと思って、わたしじゃ役に立たないかも知れないけど、せめて草刈りや水まきくらいなら出来るんじゃないかなって。頼まれてたわけじゃないから、迷惑かもしれないけど……」
ナルトちゃんの変わりに。
そんな副声音が聞こえて来そうなヒナタの理由に、私は胸が熱くなった。
私の為に、何かをしようとしてくれるヒナタに、言い尽くせ無い程の感謝の気持ちが込み上げて来る。
嬉しくて、誇らしくて、黙ってなんていられない!
「ヒナタ大好き!ありがとう!!」
「えっ!?きゃあ!」
思いっきり満面の笑顔で私はヒナタに抱き付いた。
ヒナタは優しい。
私が優しい気持ちを返すと、それ以上の気持ちを私にくれる。
胸が痛くなるくらい、少し怖くなるくらい。
だって、私はまだ、この里に対する復讐を諦めてないのに。
「ナ、ナルトちゃん?」
力一杯ヒナタに抱き付いて動かなくなった私に、ヒナタが気遣いの声をかけてくれる。
ふと頭を過ぎった嫌な考えは追い出して、私はヒナタに笑いかけた。
「ちょうどお昼にしようと思ってた所だったってばね!ヒナタも食べていって?」
「う、うん」
にこにこと笑いかける私に、戸惑っていたヒナタは、漸く笑顔を返してくれた。
ヒナタの笑顔が見れたのが嬉しくて、私は更に笑顔になる。
私が分身なのが惜しいくらい、独り占めにしておきたい出来事です。
うきうきとしながら、私は収穫した野菜を入れた籠を持ち上げました。
この野菜達を使って、美味しい物をヒナタに食べてもらおう。
自然とそう気持ちが固まっていきます。
ヒナタの好きな物と嫌いな物を考えているうちに思いつきました。
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