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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
こうしてアタシは、出てこれた。
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「よいしょ。」

側に落ちていた斧を拾い上げ葵ではない葵はそれを嬉しそうな顔で眺める。

「すごーい。本物の斧だぁ。」

まるで欲しかったおもちゃを手に入れたような、純粋な表情。
いろんな角度から見ると蝋燭の光が斧の刃に反射し、ギラリと光って葵にはそれがとても面白かった。

「葵!それを離しなさい!」

父親の怒鳴り声に一瞬肩をすくませる。

「えー。やだよ。」
「それは危ないものだ…返しなさい!!」

先程蹴っ飛ばしたのに、あいつはアタシの恐ろしさを知らない。
怒ればさっさと返すと思ったのか?
言葉は武器にはならない。うるさいだけだ。

「お前達!葵を取り押さえろ!!」
「はい!!」

屈強な部下達が葵を囲む。
隙を見て斧を取り上げようと男達はじりじりと近寄る。
だがしかし

「これ、返してほしい?」
「返してほしいじゃない!返しなさい!!」
「んー、そっかぁ。」

口許に指をあて、悩んだような仕草をした直後だ

「じゃあ返す。」

男は、声も上げられなかった。
"有り得ない力で投げ返された"斧は正面にいた男の頭に、ざっくりと刺さって返却された。

「あ…が…。」

あまりに衝撃の出来事に、そこにいた全員が言葉を失い静寂が支配する。
父親は絶句。母親は開いた口が塞がらず。
斧を返された男は何かを言おうとしたが言えず、やがて前後にふらふらし、

「っはっはぁ!!死んだ死んだ!!」

どさりと倒れた。
拍手で喜ぶ彼女。
それをスイッチに悲鳴をあげる母。
部下の男達もただ事ではないと冷や汗を流す。

「すごい!見てよ父さん母さん!血だよ!噴水みたいにビューって出てる!!」
「お前…お前…っ!!!」

悪魔と契約させられた娘。
だが、両親はここで確信した。

「殺せ!!娘はもう手遅れだ!!」

彼女こそが、悪魔なのだと。

「うおおおおーっ!!」

男達が武器を手に取り襲い掛かる。
女性の上さらに丸腰。殺すのに抵抗はある
しかし、その躊躇がいけなかった。
悪魔なら悪魔だと思い、力のままに武器を振るえば良かった。
一瞬の迷いが、彼女に猶予を与えた。

「いいもん見ーつけたァ。」

何かを蹴り上げ、手に取る。
それは数々の契約者の手首を切断してきたであろう、血で錆びた包丁であった。

「死ねェ!!」
「…!!」

何の躊躇もなく、その包丁を男の腹に深々と突き刺す。
思い切り引き抜くと、血がたくさん出てきた。
自分の衣服が返り血で汚れる。
だがそんなことはどうでもいい。

「〜♪」

呑気に鼻歌を歌いながら、殺した男から武器を奪う。
バットだ。
さっきから後頭部がずきずきする原因はこいつだが、これで殴
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