暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
夏の肉の日メニュー・2020
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うに発注したんだが……『アレ』届いてるか?」

「届いてますよ。しかし何ですかアレ、豚バラ肉ばっかりそれも数百kg単位で」

「ん?今回の肉の日メニューは真空パックすりゃあ冷凍もイケるんでな。どうせなら遠征してる連中にも陣中見舞いを、と思ってな」

「そういう事は早めに連絡しといて下さいよ。全く……解りました、今回の肉の代金は半分鎮守府の予算から捻出します」

「お、悪いねぇ」

「絶対に思ってませんよね?それ。ところで何を作るんです?」

 大淀にそう尋ねられ、俺はニヤリと笑う。

「俺の中華の師匠直伝のーー……東坡肉(トンポーロー)だ」





 読者諸兄は『豚肉を使ったご馳走』と言われると何を想像するだろうか?トンカツ?豚のしょうが焼き?豚の角煮?俺が真っ先に思い浮かべるのは俺が学生バイトしていた中華屋の東坡肉だ。手間がかかるから事前の予約が必要な上に、月に20食しか出さないってんで、幻なんて呼ばれてた料理。でもその美味しさは格別で、しっかり作り込まれた醤油ダレの染み込んだトロットロのバラ肉は、白飯にも酒にも合う。俺からしてみれば正に最強の豚肉料理だ。店の秘伝の味だから、婿に来るなら教えてやると店の親父さんに言われたんだが、どうにか頼み込んで教えてもらったんだ。親父さんは亡くなったと風の噂で聞いたが……その内、墓参りでもいくか。

「提督、何をひたってるんです?」

 そこで声を掛けられて現実に引き戻される。いかんいかん、これからアホほど仕込みをしないといかんのだった。惚けてる暇はない。

「うっし、やるか!」

 さぁて、調理開始だ。

《激ウマ!檀さん仕込みの東坡肉》※分量:作りやすい量

・豚バラ肉:1kg

・玉ねぎ:2個

・にんにく:まるごと2個
                   
・生姜:2個

・長ネギ:1/2本

・醤油:100cc

・酒:500cc

・砂糖:50g

・水飴:50g

・ラード:適量(多めの方が良い)

・味噌:少々

・八角:お好みで


 さて、東坡肉を豚の角煮と勘違いしている奴がたまにいるが両者は全く別の料理だ。角煮は下茹でするか焼き目を付けてからじっくり煮込む料理だが、東坡肉は下茹で、焼き付け、そして最後に蒸すという工程の入る蒸し料理なんだな実は。まずは下拵えの下茹でから。ニンニクを包丁の腹を使って軽く潰し、玉ねぎはざく切りにする。豚バラ肉を鍋に入れて玉ねぎ、ニンニクを入れて水をヒタヒタ位まで入れる。ここでポイントになるのは鍋の大きさ。肉を入れてほとんど隙間が出来ない位の鍋を選ぶのが大事。こうしないと長時間煮ている間に肉が煮崩れる恐れがあるからな。そしてポイント2つ目、肉の脂身は必ず上向
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