第17話 千堂の力 前編
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情に心が支配されていた。
あまりの恐怖にハルバードをその場に落とした。
「あの女には『我々が怖くて本能的に抵抗できない』という嘘の針を刺した!これで抵抗できまい!!」
そして隊長は苦し気に呻くロウリィにヅカヅカと近づくと喉を鷲掴みにした。
「このクソ女!よくも!よくも俺の部下を!」
『亜神』だか何だか知らないが目の前の少女に自由と闘争心に燃えるかわいい部下が殺された。
そのことに怒りが抑えられなかった。
隊長はそのままロウリィに殴る蹴るの暴行を加えた。
隊長の蛮行を見かねた部下の1人が止めに入る。
「隊長!殺さないでくださいよ!!」
「わ、分かってるさ……畜生!!」
バッとロウリィの喉から手を放した。しかし怒りは収まらず八つ当たりと言わんばかりに戦闘員の死体に蹴りを入れる。
ライアー・ドーパントは忌々しい忌々しい物を見る目でロウリィを見ると一旦変身解除して部下に命じた。
「運び出せ!!!」
不穏分子達はロウリィとレレイ、テュカを無理矢理、ワンボックスカーに乗せるとトラックと共に去って行ってしまった。
―――――――――――――――――――
数分後……人の気配がなくなった襲撃地に¨高速¨で駆け付けた者がいた。
―千堂である。
千堂は現場を見回し…そして激怒した。
現場は予想以上に凄惨だった。
銃痕が空いたバイクが転がり、辺りには戦闘員達が死屍累々と倒れていた。
皆、一様に血の海に溺れており、周囲にはむせ返るような鉄の匂いが充満していた。
レレイ達の姿はすでになく、連れ去られたことは明白だった。
千堂は道路を見つめる。一体の戦闘員の遺体が目に入った。
"彼"は体中が銃弾で蜂の巣になっていた。必死にレレイ達を守ろうとしたのが見ただけで伝わった。
彼に駆け寄ると開いた瞳を閉じさせ、手を握る。
「君達の無念は俺が晴らす……安心して眠るといい」
そう、優しく声をかけるとその場にいた戦闘員達はほぼ同時に泡となって消えた。
次にレレイ達の乗っていた政府公用車の方へと近づく。公用車の傍には増沢が血を流して倒れていた。
千堂は増沢の首筋に手を当てて脈を測る。脈はまだあった。
―生きている。だが虫の息だ。
(助けるにはこれしかない!!)
千堂は増沢の腕を乱暴に掴むと間髪入れずに噛みついた。
尖った犬歯が肉に食い込み、鮮血が口内に流れる。
すると傷口がみるみる塞がっていった。
身体の免疫力・再生力が急速に向上していっているのだ。
増沢は重たそうに目を開けて意識を取り戻した。
突然のことに最初、目の前の男も敵かと思い、増沢は倒れた状態のまま銃を向けるがその姿
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