暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga9-B語り継がれざる狂気〜The End〜
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かった。

――クテル――

次々と造り終えられる巨人の体の至る所から、遠距離斬撃の如く鋭い葉が何百枚と放たれた。さらに巨人たちは円陣を組むかのように移動を開始。包囲されるような状況は回避しないと。

――アグッハ・ヴェネノーサ――

葉っぱカッターに向日葵の種弾丸に加えて、毒々しい色の棘が連射されてきた。さらに巨人たちによる直接攻撃も追加。30m以上の巨体のくせして割と俊敏に動いて、私を踏み潰そうとしたり蹴ろうとしたり、捕まえようと手を伸ばしたりと、私を害すための行動に移った。

「(結界内だからと言ってどこまで削っていいのか判らないけど、もうこれしか・・・!)あんまり使いたくないけど・・・。ドゥルヒブレッヒェン・デア・グレンツェ。・・・ぅぐ、あぐぅ・・・!」

それらの攻撃を掠りながらも回避して、分解スキルのリミッターを解除。全身が軋みを上げ始める。

――クスクスクスクス――

頭の中にフェードインしてくる笑い声。子供の頃は私もそんな笑い声を出していたけど、ある事件を機に改めた。大鎌型の神器を持つリンドヴルム兵との戦いの最中に私の胸に去来した、人類に対しての強烈な負の感情。私にも前世の記憶とかがあるのかは判らないけど、もしあの負の感情が記憶の中から溢れ出したものなら、私の前世は何て恐ろしい人間だったんだろう。

(あー、やっぱりキツイな〜)

スキルの限界突破はその頃から身に付いたものだ。分解効果の範囲がとんでもなく広がった分、自分の体にもダメージが入るようになったばかりか、負の感情が苛むようになった。だから時間を掛ければ掛けた分、私はきっと私じゃなくなる。

「だからと言って、イリス達を待って全丸投げなんてしたく・・・ない!!」

物心つく前から私が持っていた漆黒に輝く六角形型の腕輪、“ツァラトゥストラ”。どこで作られたのか、どういう材質なのか、どういう機構なのか、そう言った正体も未だに不明。魔力の集束量の上昇、出力・運用力の向上、分解スキルを円滑に発動できるように作られているため、デバイス登録してある。

――殺せ。壊せ。滅ぼせ。亡くせ。人類を。自然の毒を。動植物の害を。亡くせ、滅ぼせ、壊せ、殺せ――

「う、うる・・・さい・・・うるさい!」

両腕にはめている“ツァラトゥストラ”の6つの側面、計十二面に刻印されている十字架が黒く光りだす。そして“ツァラトゥストラ”は、はやての“シュベルトクロイツ”のような円のある十字架へと変化。この状態が私のスキルの限界突破形態だ。

「おおおおおおおおおおおおお!!」

――グローセス・クラーター――

横棒の片方で地面を穿つと、その地点を中心に直径500m、深さ100mの大穴を瞬時に開ける。10体の巨人は足場を失ったことで落下を開始。自我
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